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252号 感話:デフリンピックに思う [ 令和7年12月3日 ]

初雪、そして有縁講

252号 感話:デフリンピックに思う  長岡の初雪は11月18日でした。夜10時過ぎに境内は一面真っ白になりました。そして翌日元上組52人で有縁講に参加してきました。バス2台の予定がバス1台にぴったり収まり、賑やかな車内になりました。その上思いがけず参加費の返金が生じて、たくさんのおみやげにつながりました。有縁講ではご法話、赤倉ホテルの温泉、宴会のお料理と演芸、サクソフォンの生演奏で日ごろの疲れが癒やされました。2日目、葛飾北斎の天井絵で知られる岩松院参拝と小布施のまち散策でしたが、前日とは打って変わって雲ひとつない晴天。小布施のまちから臨む冠雪の妙高山が見事でした。


安青錦初優勝 大関昇進

大相撲九州場所でウクライナ出身の安青錦が初優勝し、来場所の大関昇進も決まりました。私は新入幕の今年春場所に安青錦が「あおにしき」と読むこととウクライナ出身ということを知ったばかりです。それにしても応援したくなる相撲と振る舞いを見せてくれます。そして戦いが終わり一夜明けて見せた爽やかな笑顔は「応援すべし」でした。
 有縁講のご法話で、「恩徳讃に『謝すべし』『報ずべし』とありますが、これは感謝せずにおれません。ご恩に報いないではおれませんという意味で命令形ではありません」と教わりましたが、まさに「応援すべし」です。同時にウクライナの平和と安心が早く訪れることを願います。


御礼三題 (1)冬囲い

252号 感話:デフリンピックに思う 11月16日は晴天に恵まれました。境内の冬囲いに恵以真会の皆様はじめ大勢の皆様からご協力をいただきました。この写真に収まっていない方もおられます。11月30日には本堂玄関の三角屋根設置が予定されています。ご支援の連続です。


御礼三題 (2)賽銭募金 (3)フードバンク支援

252号 感話:デフリンピックに思う 能登半島地震災害義援金(6)
募金額:64,564円(令和7年11月18日)
累計で337,292円となりました

子どもの笑顔のために募金(5)
募金額:10,304円(令和7年11月18日)

本願寺にお届けいたしました
ご協力ありがとうございました

<フードバンク支援活動>
お陰さまでこんなにたくさんのご協力をいただきました。品目はお米(玄米、精米)、お餅、乾麺、お菓子各種、缶詰各種、レトルト食品各種、即席ラーメン、お醤油、ペットボトル飲料、生鮮野菜(ネギ、サツマイモなど)。11月25日にフードバンクながおかにお届けいたしました。軽トラックで運び入れると、「これ全部ですか」と喜んでいただきました。多くの皆様のご協力に心より感謝申し上げます。


感話 デフリンピックに思う

第25回東京デフリンピックは、聴覚障害者のための国際的なスポーツイベントです。11月15日に開幕しました。これを機会に新聞やテレビで取りあげられているので、知名度は格段にあがりました。デフリンピックはデフ(聾者)とオリンピックを合成した言葉です。私は長い間、聴覚障害教育の領域で仕事をしてきましたので、報道のされ方を含め聴覚障害者の活躍に関心を向けています。障害者スポーツの国際イベントとしてはパラリンピックが有名で、オリンピックが開催された後引き続いて同じ都市で開催されています。放映される機会が増えるにつれ障害の多様さや、それを克服して到達した身体能力の高さに驚かされることが少なくありません。
 今回のデフリンピックで、パラリンピックに聴覚障害者が出場していないことに初めて気がついた方もおられるでしょう。先の東京パラリンピック開会式でかつて私の研究室の学生だったTさんが手話キャスターとしてNHK-Eテレに出演したことをてらだより(201号)でも紹介しました。その際にもパラリンピックに聴覚障害者が参加していない事への配慮だと書きました。聴覚障害は日常生活ではコミュニケーションや言葉の面に大きなハンディキャップがありますが、運動面では一見ハンディが小さいと思われています。それだけが理由ではなく、もともとデフリンピックは聾者が自らの主要な言語として手話がとても大切なものであることを社会に示す目的を持ってスタートしたのです。聾者は日本でも欧米でも長いこと教育の中で手話を使うことを禁じられ、読話(読唇)と発音指導で日本語を習得しようとする口話法によって教育を受けてきました。これは聾者にとっては忍従を強いられた苦しみであったと振り返られています。それに対して近年になって聾者は「聾文化宣言」を行って手話が聾者には必要不可欠の言語であるとの主張を展開してきました。日本でもそして世界中でとても大きなうねりとなりました。デフリンピックはまさにその運動の中にあるのです。
 私は聴覚障害教育の中で聴覚を最大限に活用して日本語を習得し音声によるコミュニケーションを目指す支援活動を行ってきました。補聴器や人工内耳の進歩開発にも支えられてきました。この領域もとても大きな成果を収めてきました。今回のデフリンピックではとても流ちょうに明瞭な発音で話す選手もいます。これらの選手は普段は音声言語で会話をしているかもしれません。それはまたその人の特性として尊重されています。その上で、大切な一点としては手話が共通のコミュニケーションに位置づけられていること、視覚を情報入手の手段とすることで公平性を保つことが図られています。私は、手話が聾者の言語というだけではなく、パフォーマンスのひとつとして誰でも使える魅力的な表現手段として普及していることに大きな喜びを感じています。合掌


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