浄土真宗本願寺派 託念寺のホームページ

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117号 感話:パレスチナ問題の現状 [ 平成26年9月3日 ]

夏の思い出

イメージ:夏の思い出  夏休みの思い出作りをと恵以真会で企画した盆踊り大会。踊りの輪を大きくしたい、子ども達も踊りの中に加えたい等の願いから、前川保育園の保育士さんにもご協力をいただいて子ども盆踊り、ジェンカダンスを取り入れました。写真はフィナーレに近づいた盆踊りですが、ご覧のような大きな輪ができました。ご協力いただいた前川地区健全育成会、上前島睦峰会、前川児童館、前川保育園、そして踊りのお手本を終始お示し下さったさつき会の皆様、心より御礼申し上げます。


暁天法座 テーマ:戦争

イメージ:暁天法座 テーマ:戦争 8月8日〜10日 午前5時30分〜6時10分
8日(金)おつとめ:しんじんのうた
 今起きている戦争 −イスラエルの現状−
 託念寺当院 鷲尾顕一
 この内容を感話としてまとめました。

9日(土)おつとめ:しんじんのうた (調声:前川小学校6年生) 前川保育園の年長児さくら組が前日からお泊まり保育でした。 朝5時前に起床してまだ薄暗い本堂に5時20分には集まりました。おつとめの後、保育士さんによる絵本「おこりじぞう」を読んでもらいました。子どもたちにも原爆の残忍さが伝わります。皆真剣な面持ちでスクリーンに映された絵本を見、先生のお話に耳を傾けました。最後に金子みすずさんの「私と小鳥と鈴と」を手話をつけて歌いました。

10日(日)おつとめ:しんじんのうた
「語り継ぐ長岡空襲」NST開局40周年記念特別制作番組DVD映写
 長岡市教育センターからお借りしたDVDを上映しました。50分余りの貴重な記録です。


感話 パレスチナ問題の現状 鷲尾顕一(託念寺当院)

イメージ:感話 パレスチナ問題の現状 鷲尾顕一(託念寺当院)  イスラエルは南にエジプト東にヨルダン北をレバノンに囲まれた中東の国である。この国が抱えるパレスチナ問題とは何なのか。私は2011年の12月、短い時間ではあったがエルサレムという都市に観光を目的に訪れた。エルサレムにはユダヤ教キリスト教イスラム教の聖地があり、世界遺産にも認定されている。ヨルダンとの国境は軍が管理していて銃を持ったイスラエル兵がいたが、街の中で戦争を感じることはなかった。ただひとつだけこの問題に関わるエピソードがある。
私は旅先でコミュニケーションをとる時にサッカーの話題をよく用いる。その国の有名なサッカー選手を引合いにだしたりして会話の糸口を探る。今回もサッカーをしている青年と一通りリフティングを楽しんだ後、イスラエル代表で有名なベナユンという選手の名前をだした。貧相な英会話能力なので『I like Benayoun.He is good player』(ベナユンの事が好きだよ。彼はいい選手だよね)程度の事を言ったと思う。そうすると彼は『He is enemy』(あいつは敵だ)と即答した。私は一瞬理解できなかった。GoodやBadでなくてEnemyという単語が出るなんて想像していなかった。彼は特に怒ることもなくそのままサッカーを続けていたが、どこか居心地の悪さを感じその場を後にした。私は当時この土地が抱えるパレスチナ問題をほとんど理解していなかった。私は彼を怒らせてもおかしくないようなことを言ってしまっていた。


イメージ: イスラエルは1948年に建国されたユダヤ人の国である。この土地は元々パレスチナと呼ばれており、パレスチナ人というアラブ系の住民が住んでいた。ではなぜユダヤ人がこの地に移り住んだのか。
ユダヤ人は紀元前からこのパレスチナでユダヤ教を信仰し生活していたとされている。しかしローマ帝国に侵略され迫害を受けこの土地を追われる事となる。その後も移住した様々な土地で迫害を受けたがユダヤ人のコミュニティーは維持された。1910年代ユダヤ人のパレスチナに帰還しようというシオニズム運動の高まりから、パレスチナへの入植をイギリスにより許可される。しかしその数年前にイギリスはパレスチナ人に対しても居住を認めており、それが今日までの紛争の始まりとなる。
このパレスチナの問題をコントロールできなくなったイギリスは国連に問題を丸投げにする。そして1947年に国連はパレスチナ分割決議を採択。領土を分割しイスラエルは建国された。第二次大戦時のナチスドイツによるユダヤ人大虐殺が多くの同情を生みこの採択に影響したのは想像に難くない。
しかしこの後イスラエルは中東戦争を経てパレスチナを侵攻していく。それに対抗し結成されたPLO(パレスチナ解放機構)との長い対立のすえ1993年のオスロ合意を締結し、ガザやヨルダン川西岸地域はパレスチナ自治区として認められた。しかし実際にはイスラエル軍が実効支配と抑圧を続けており、それに対してパレスチナ側は自爆テロやロケット弾を用いて応戦している。これが現在のパレスチナ問題である。


イメージ: ではなぜこの小さなイスラエルという国が他のパレスチナを支援する大国を相手に戦争ができるのか。そこにはアメリカの存在がある。今アメリカにある大企業(マクドナルドやCNNなど報道機関)の多くがユダヤ系企業である。これらはアメリカの経済に大きな影響力をもっており、アメリカ政府はこれを無視できない状況なのである。よってアメリカは武器を提供しイスラエルの正当性を支持し戦争を助長している。また石油を輸入するという点においてもイスラエルは重要な所に位置しているのである。
このように国レベルでは金や資源など多くの損得勘定が存在する。しかし国民はどうだろうか。イスラエルに土地を奪われ、仕事を奪われ、迫害され、家族が殺される。とてつもない憎しみの感情が沸き起こる。それが自爆テロにつながる。そうしてまたイスラエルは攻撃の大義名分を手に入れる。こうして負の連鎖は生まれてしまう。
現在イスラエルがパレスチナ自治区ガザに行っている攻撃の理由はテロリストの施設の破壊と撲滅である。しかし分離壁と呼ばれる壁で町全体を囲いミサイルによって攻撃することは戦争でなく虐殺行為である。ガザでは罪のない市民や子どもが大勢殺されている。


イメージ:  日本の報道を見ていると一般市民への誤爆による殺害は非人道的行為だと言ってはいるものの、どこかイスラエルを肯定しているような節(ふし)も感じられる。これはあたかもガザには危険なテロリストがいてそれを攻撃しなくてはならないというニュアンスである。本当にそうだろうか?分離壁で囲ったパレスチナの自治区にそれほどの脅威があるとは思えないし、そのパレスチナ側からの応戦のきっかけを作っているのはイスラエルなのである。
パレスチナ人が望むのは平等な分割と当たり前の生活である。これを脅かし土地を奪ってきたのは間違いなくイスラエルなのである。
 パレスチナへの帰還はユダヤ人の悲願であったに違いない。何千年ものあいだ離散し、移住した先では迫害を受け、ホロコーストにより深く傷ついたユダヤ人が迫害を受けない自分たちの国を手に入れた喜びは、それまで国という概念を持たなかったユダヤ人にとって大きなものだっただろう。
しかしなぜ、同じような迫害をパレスチナ人にしてしまうのだろうか。共存共栄の道はなかったのか。今まで受けてきた迫害の歴史を今度は加害者となって繰り返してしまっている。
 戦争は自衛と自衛がぶつかって起こる。少なくとも建前ではそうなっている。相手に攻撃される危険があるから先に叩く。これが戦争の引き金となる。パレスチナ人の憎しみを煽り、やり返させることでイスラエルは攻撃の大義名分を得る。国レベルでは損得勘定が渦巻いている。市民レベルでは多くの憎しみの連鎖が生まれている。そしていつも傷つくのは力のない人々なのだ。
 パレスチナの青年が私にいった『He is enemy』という言葉の裏にはこんなにも複雑な事情がからんでいた。戦争がもつ単純ではない関係性や、パレスチナにおける戦争ともいえない迫害行為。こういった事を理解することは非戦を訴える日本人の立場としてとても大切なように感じた。また私自身の無関心がパレスチナ人を傷つけかねないという事を実感した。
 日本は集団的自衛権の行使容認を可決し、安全保障の一大転換期を迎えている。このパレスチナ問題に関してもアメリカは深く関係している。そして日本はアメリカの同盟国である。一刻も早くパレスチナの平和が実現するよう願いながら、この問題を他人事とせずとらえていきたい。合掌


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