259号 感話:ぼくたちは、あらそうために 生きるのか? [ 令和8年7月13日 ]
嬉しい出来事
サッカーワールドカップで日本が好発進。初戦のオランダ戦で引き分けて勝ち点1、第2戦のチュニジア戦では4-0で快勝して勝ち点3です。この便りが届けられる頃はスウェーデン戦も終わって、予選リーグの結果が出ていると思います。WBCの野球でもそうでしたが、ドキドキワクワクして試合を見まもり、勝利するとその関連ニュースを何度も見て感激に浸ります。スポーツの世界で活躍する日本の選手が眩しく見えます。活躍する選手の周囲には必ずそれを支えている大勢の人がいて選手も監督もその方々への感謝の言葉を忘れません。
6月4日 選挙管理委員会の仕事で東京に行きました。
プロ野球はちょうど交流戦が始まっていて東京ドーム、神宮球場で試合が組まれていました。選挙管理委員会の仕事は東京ドームのすぐ横の会場で、これまでも野球博物館には入りましたが、試合のチケットは到底手に入りません。
この日、神宮球場ならチケットがとれますと同行のAさん。ヤクルト対ロッテ戦。ロッテの外野応援席から観戦。ロッテの応援に誘われて一緒に立ち上がって声援しました。ロッテが着々と点を重ね、勝利。楽しいにわかロッテファンの一時でした。
只見線紀行
6月の澄みきった空気に山の木々が迫ります。初めての只見線遠足。連れ合いが計画した旅程に従い、お昼に小出駅を出発し、会津塩沢駅で1時間ほどの時間を過ごして夕方には小出駅に戻って来れました。会津塩沢駅には河井継之助資料館があります。駅から徒歩15分は思ったより長い道のり。資料館に到着すると「定休日休館」の看板が掛かっています。がっかりして玄関前に立つとドアが開くではありませんか。窓口で長岡から来たのですがと告げると、ラッキーですね、先ほどまで長岡市阪之上小学校の社会学習のために臨時に開館していたのです、どうぞ入館下さいと、思いがけない返答が。河井継之助終焉物語を見聞きして、映画「峠-最後のサムライ-」や上映前に亡くなられた稲川明雄さんを思い出していました。会津で長岡がこれほどに大切にされていることを実感した一日になりました。
長岡市戦災資料館リニューアルオープン 記念講演会
旧互尊文庫を改装してリニューアルした建物です。長岡空襲の爆撃中心点に立地しています。5月30日に「アメリカが記録した長岡空襲」と題して記念講演会がありました。興味深い話がいくつもありました;
1)長岡空襲ではB29 125機がすべて同一の爆撃中心点をめがけて焼夷弾を投下した。
2)8月1日に空襲を受けた長岡市、八王子市、富山市、水戸市はアメリカ陸軍航空軍創立記念日の「祝賀爆撃」であり、通常の空襲よりも大きな戦果が得られるように計画され、実行された。
資料館1階「祈りの間」には遺族から提供された381名の遺影が展示され、2階の「資料展示室」には空襲を生き延びた市民の足取りを示したデジタル地図や防空壕模型も備えられています。長岡空襲を語り継ぎ、平和学習の場として利用できる構成になっていると感じました。
感話 ぼくたちは、あらそうために 生きるのか?
ドキッとさせられるタイトルです。 元京都大学総長で霊長類研究の第一人者山極寿一さんの絵本(あべ弘士絵 偕成社 2026)です。
ゴリラとヒトは同じヒト科の動物で700万年前に木から地面に降りて2本足で暮らし始めたそうです。だんだん歩行が進歩して森から草原に生活の場所を移していきます。ところがキバも強い爪ももたないヒトはとても弱い生き物でした。森よりも敵が多く危険にさらされる草原でどうして生きる伸びることができたのでしょう。それは「仲間と助け合う」ことでした。サルは自分の見つけた食べものを独り占めにします。ヒトの仲間であるゴリラはこどもやメスに食べものを分け与えることがあります。ヒトもまた見つけたものを、ひとりで食べてしまわずに、仲間のもとに運びます。小さなこどもたちは仲間が持ち帰ってくれる食べものがどんなに嬉しかったことでしょう。
私は以前、「ヒトに恵まれた笑顔」についても紹介したことがあります;今地球上にいる人類はホモサピエンスだけ。それを可能にしたのは社会を作って助け合おうとする遺伝子があるからだ。「笑顔を作る」遺伝子、「分け与えようとする」遺伝子は、現代人類の大きな特性になっていると。
山極さんの絵本は続きます;森から出たヒトは、みんなでいっしょに赤ちゃんを育てるために、いくつもの家族があつまって暮らすようになりました。そして家族が集まって、お互いに食べものを分け合って暮らすうちに、ヒトの心のあり方も少しずつ変わっていきました。
そして農耕生活を手に入れ、定住するようになり、ヒトの暮らしを安定させましたが、そのために土地が必要となり、豊かな土地を奪い合うための戦いが始まりました。その戦いは今も続いています。土地をめぐって、豊かさを求めて多くの人が争っています。
山極さんは問いかけます;ぼくたちは、あらそうために生きるのか?
出会った人と人がつながって、新しいつながりを生み出す世界。そんなふうに共感の輪を広げるのは、難しいことではありません。一緒にご飯を食べて共に過ごすことで心は近づいていきます。そんな当たり前のことが、実は生命進化の中でヒトが手に入れた大事な宝物なんです。身近な触れ合いからはじまる、そんな仲間たちの集まりをていねいにつないでいくことができたなら、きっとぼくたちは、もっと平和な世界を作っていけます。700万年前に、はじめて木からおりたぼくたちの祖先が、食べものを分け合い、助け合いながら、共に暮らす仲間を増やしていったように。
山極さんのメッセージに共感して 合掌








