239号 感話:北朝鮮による拉致問題について 蓮池薫さんの講演を聴いて [ 令和6年11月6日 ]
大谷さん、やっと休めますね
10月になっても時折夏の暑さに戻る日がありましたが、朝晩は確実に秋の深まりを感じ、暖房も使い始めています。
アメリカ大リーグではドジャースが勝ち進み、ついに頂上決戦のワールドシリーズでヤンキースと戦っています。大谷翔平、山本由伸、ベッツ、フリーマン、エドマン、ヘルナンデスなど、ドジャースの選手の名前が日毎親しみを増しています。それにしても大谷選手はどれほど私たちを楽しませてくれるのでしょうか。いろんな場所で大谷のことを話題にし、盛り上がります。我が家ではドジャースが活躍すれば、会話が弾み和やかになります。大谷が野球の本場アメリカで愛されている姿が私たちの誇りになっています。個人の記録をどんどん塗り替えても「for the team:チームのために」の姿勢がチームの信頼を得ているのでしょう。私は「ともに喜ぶ」大谷が好きです。大谷がケガをしたときは、ダイジョーブか心配しましたが、こんな状況でも活躍する姿を見てみたいとわがままな気持ちが抑えられません。もう少し楽しみましょう。
衆議院選挙は大方の予想を超えた結果になりました。10月の法語カレンダー解説に「『人間どうしだと、欲望と欲望の調整になってしまいがち』 仏の視点を容れて、ほんの少しでも自分から離れたまなざしを持って社会に参画する。仏さまのお智慧を借りて多様な人々と共に生きていく。」とありました。
政治の世界でも、私たちの日常でも、仏法からのまなざしが感じられるようになったらいいと思います。
今年もツルウメモドキを届けていただきました。お御堂や玄関に飾らせていただきました。オレンジ色の実が鮮やかです。どうぞご観賞ください。
田子祐子先生の急逝を悼む
先月号に続いて田子先生の写真を掲載致しました。10月18日の日報朝刊に田子先生の死亡広告が載っていました。「8日に急病により」とありました。あまりに急な訃報に言葉を失ってしまいました。9月15日の日曜法座のすぐ後にご礼状をいただきました;「御同行の皆様が聞き上手でいらしたので緊張することなくお取り次ぎできました。感謝申し上げます」。私がお礼状を差し上げる前に恐縮したことでありました。ご法話では巧みな題材選びと落語や講談に通じる話術に引きこまれ、心に深く残るものでした。先生とのご縁が始まったばかりでしたので残念でなりません。
感話 「第27回新潟教区平和を誓う念仏者のつどい」
-北朝鮮による拉致問題について 蓮池薫さんの講演を聴いて-
託念寺坊守 鷲尾吉子
10月24日新潟別院主催の標記の会に参加させていただきました。
最初に全戦没者追悼法要がありました。お正信偈を皆が唱和しました。最後に「非戦・平和へのアピール」が読み上げられ、採択されました。私たち浄土真宗のみ教えをいただくものとして、一人ひとりが非戦・平和を目指して、その取り組みを進めていかなければと、思いを新たにしました。
さて、今回講演してくださったのは蓮池薫さん。「北朝鮮による拉致問題について」がテーマでした。テレビで見たことはありましたが、直接お話が聞けるとあって楽しみに参加しました。
蓮池さんは堂々としていて、言葉には力がありました。北朝鮮に拉致されるという全く希有な全く理不尽な目に遭った、でも24年後幸運にも日本に帰ってくることができた、しかしそれから22年も経っているのにまだ一人も帰ってきていない。被害者の親でご存命なのは今やお2人だけ。ご存命のうちに帰国が実現できるように、交渉を急がなければならない。
どのようにして拉致されたか、拉致されて北朝鮮でどのような仕事をさせられたかなど、生々しい迫力のある話に、私だけではなく周りの方々も前のめりになってシーンとして聞き入りました。なかでも日本に帰国が決まったときのエピソードは衝撃でした。最初北朝鮮から言われたのは「一時帰国」だったそうです。娘たちは北朝鮮に残っているのだから、逃げられないぞ、必ず北朝鮮に戻ってこいと、いわば娘たちを人質にされた一時帰国だったと。しかし帰国後はいろいろな調整もあったのでしょう。自分たちは北朝鮮に戻らない、娘たちは必ず取り戻すという決断をしました。このとき一緒に帰国した蓮池さんの奥さん(祐木子さん)は猛反対したそうです。娘たちはどうなるの?と。お二人の葛藤はどんなに大きかったことでしょう。その後1年7ヶ月の時を経て、娘たちは日本に帰ってくることができました。全く先が見えない時間を、しかも1年7ヶ月という長い時間を、どのようなお気持ちで過ごされたのか。想像するに余りあります。
相手が北朝鮮の金正恩であることが、何をやるにしても難しいと諦めてしまいそうです。が諦めたらそれでおしまい。それこそ一人ひとりが拉致被害者の救出に関心を向けて、世論を盛り上げていくことが必要なのでしょう。パネル展示の中に、横田めぐみさん一家の仲睦まじい写真も展示されていました。何とか、何とか、一歩進展してほしいと願います。 合掌