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223号 感話:インド紀行 [ 令和5年7月5日 ]

梅雨の季節

223号 感話:インド紀行  本格的な梅雨の季節になります。紫陽花が開花し、田んぼは緑の絨毯のように丈を揃えて広がっています。朝ドラ「らんまん」をご覧になっていますか。植物学者牧野富太郎こと「万太郎」のことばにメモをとることしばしばです。昭和の時代、皇居清掃奉仕に行かれた方が、草がほどよく伸びていたことが印象に残り、それも植物学者たる「時の天皇陛下」故(ゆえ)のことでしたと振り返られました。「雑草という草はない」どころか、それぞれが優れていて知恵者であり、皆が違い、それぞれが違うところにそれぞれの強さがあると、語る万太郎はキラキラと輝いています。「み教え」を分かる言葉で伝えるとはこういうことかと大いに頷いています。


感話 インド紀行 -最北部ラダック- 当院 鷲尾顕一 寄稿

 コロナ禍での海外渡航の制限がなくなり4年ぶりに外国に行ってきました。行き先は8年ぶり3度目のインドです。今回私が訪れたのはラダックというインド最北部の州で、中国とパキスタンとの国境付近の標高は3000mを超える地域です。
 今回の旅の一番の目的はインド最北端のトゥルトゥクという村で、そこではイスラム教徒が多く生活しています。インドは8割がヒンズー教徒ですが、パキスタン国境付近ではイスラム教徒の村が多くあります。10km先の村の文化がチベット仏教だったりイスラム教だったり、宗教によって生活様式や村の雰囲気も変わるのでインドの中でも多様性を強く感じる地域です。
 8年ぶりの率直な感想はずいぶん発展したという事です。道路は広くなり、スマホは多くの人が持っており、インド人の国内観光客が爆発的に増えていました。8年前はほとんど目にしなかったインド人旅行客。富裕層中間層が増えて国内旅行を楽しめるだけの経済的余裕がある人たちが増えたという事でしょう。5000mの峠を越えてたどり着く秘境のわりには、レストランはインド人観光客で賑わい、混雑する駐車場を見て少し残念な気持ちになってしまいました。いつまでも素朴で変わらないでいてほしい…とは私のエゴですが、こんな辺境の地まで観光地化されてしまう事に驚きました。それでもこのトゥルトゥク村に宿泊する旅行者はほとんどおらず、夕方からは静かな本来の村の雰囲気を感じることができました。


 これらの秘境巡りを終えて、空港のある中心地に戻ったときに事件が起きました。同じ宿に泊まっていたタイ人グループが大きな荷物をもって空港から戻ってきました。どうしたんだろうと思っていると、宿のオーナーから「GoAir (航空会社)は破産したみたいだ」という驚くべき事実を告げられました。そう、2日後に予約していた私の航空券もこの破産した航空会社のものだったのです。予定通り飛ばないというのはザラですが、航空会社が倒産するとはさすがに驚きました。この地域は陸の孤島ともいえる立地なのでこの時期は飛行機でしか来られません。代わりのチケットを探しますがどこも満席です。怪我や病気をしたわけではないのでそれほど緊急事態ではないのですが帰れないのはやはり困ります。


223号 感話:インド紀行  色々と模索していると450km離れた隣の町から飛行機が飛んでいるが、そこへは雪の多い峠道があり、まだ開通したばかりとのこと。しかしどうにか行けるらしい。同じ境遇のタイ人グループと一緒に車を一台チャーターし450㎞の旅路が深夜12時にスタートしました。途中雪のある峠で立ち往生したり、小さなトラブルはありましたが翌日の昼過ぎに無事目的地に到着。14時間あまりの大脱出は無事成功し、予定通りの日程で帰国することができました。
 このアクシデントに伴う大移動ですが、正直不安はほとんどなくワクワクの方が勝っていました。こういう事態が起きなければ行くことのなかったであろう地域に広がる未知の風景との出会い。これこそが旅の醍醐味だと再認識できました。
 現代はスマホひとつで世界中の秘境を検索できます。行った気になれる動画もたくさんあります。それ自体は素晴らしいテクノロジーの進化ですが、やはり行ってみないとわからない事がたくさんあるのです。今まで知らなかったインドにふれることができ良い経験となりました。


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