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220号 [ 令和5年4月3日 ]

3月に桜が開花しました

220号  四月です。今年は季節の進みが早く、この便りが届く頃は、長岡でも桜が開花するかもしれません。新聞で異動の記事を見ると、「新規の春」を思います。
 前川小学校の卒業式が3月24日にありました。今年も前川保育園を卒園した子どもたちが保護者と共に仏さまに卒業報告をしてくれました。子どもたちは34人、保護者を合わせると80名を超えて、お御堂が満堂になりました。真新しい中学校の制服に身を包み、阿弥陀さまの前で保育園時代のおつとめの歌を歌いました。手を合わせる姿がとても自然に見えました。「卒業式を終えて小学校の6年間を振り返ってどんなことを思いましたか」と尋ねると、「いろんなことがあったけれど、いつも仲間がいて、家族がいて支えてもらっていました」と少しはにかみながらしっかりと話してくれました。みんなから大きな拍手をもらって私までとても仕合わせな気持ちになりました。これから一段広い世界に進みます。自分を大事に思ってくれている人がいることを忘れないでほしいと願いました。


WBCの奇跡

220号  どうしても話したい、書きたいWBCの興奮を。真剣勝負によってのみ起こる奇跡。胃が痛くなるような奇跡までの軌跡。私は栗山監督と同じ東京学芸大学の出身です。教員養成系の大学で小金井市にあります。栗山監督も私と同じあのキャンパスに通っていたんだと嬉しくなります。大学野球ではマイナーです。学芸大学からプロ野球選手が出たというだけで大きな話題になったことでしょう。プロ野球に入っても大活躍したわけではなく、それが日本代表の監督として世界一になったのです。
 準決勝メキシコ戦。1点ビハインドの9回裏、先頭打者大谷がヘルメットを飛ばして2塁打とします。吉田が四球を選んで、1塁2塁。そこでこの日3三振4打数ノーヒットの村上に打順が回ります。この場面はまさに「さあどうする栗山監督」です。村上に打ってほしい、でも本当に打てるだろうか。栗山監督は「お前に任した。思い切り振ってこい」と伝令を送りました。それに応えるかのように、右中間をやぶる目の覚めるようなヒット。1塁から代走周東までも一気にホームにすべり込み、劇的逆転サヨナラ勝ちとなりました。「こんなことが起きるんだ!」歓喜の大興奮でした。試合後、こぞって栗山監督の采配を褒めましたが、これは村上が打ったからです。栗山監督が村上をいくら「信じていた」といっても打つ保証はどこにもなく、確率で言えば送りバントか代打が正解です。村上が打ったことは奇跡でした。バントでは奇跡が起きませんからこの選択が栗山監督の采配だったのです。やっぱりすごいです。「世の中何が起こるかは分からない。だから諦めない、全力を尽くす。ただそれだけ」かもしれませんがそれがすごいのです。打たれたメキシコの投手はどれほど悔しかったか。彼もまた全力を尽くして投げた1球でした。奇跡の背景にはチームワークがありました。これもまた栗山監督がその中心にありました。チームワークは全員で作られたという光景が随所に見えていました。このチームでプレイができたことは生涯の宝。一人一人がそう振り返ることができたとすれば、だからこそ起きた奇跡だったのでしょう。感動ありがとうございました。

 写真は4月2日の冬囲い外しのときのものです。よい天気のもと、おかげさまでやっと冬の衣から解放されました。


春の彼岸会家族礼拝 絵本朗読「焼けあとのちかい」

220号 「大本営陸海軍部、午前6時発表。帝国陸海軍は本8日未明、西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり・・・・」臨場感が伝わってきました。「バカな戦争なんかはじめやがって。一体何を考えているんだ、この国は。お前の人生もながいことなかったな。」お父さんがつぶやいた一言に「もしかしたら父は非国民かもしれない」と半藤一利さんが振り返っています。
 「いざ戦争になると、人間が人間でなくなります。たとえ周りに丸こげになった数え切れないほどの死体がころがっていても、何も感じなくなってしまいます。心が動かなくなるのです。」半藤さんが晩年に制作された絵本、これから世界を担っていく子どもたちに「戦争だけは 絶対に はじめてはいけない」と強いメッセージが残されました。「読みきかせボランティアひまわりの詩」の皆さんありがとうございました。


感話 笑顔の仕合わせ

220号 写真を見て、思わずそんな言葉が出てきました。いつも笑顔でいたいです。
 3月21日「家族礼拝の日」老若みんな笑顔がとてもステキです。


本願寺新報令和5年3月20日号より抜粋して引用します:

 ご院主さん、ポックリ死にたいって、みんな言いますやろ。せやけど、だいたい人間死ぬその瞬間まで死ぬなんて思うて生きていません。でも死にますわなあ、みんな・・・。
 うちのひとが言わはるんです。「死ぬって、人間消えてしまうのと違うぞ」って。「雪は消えるんやない。土にとけこんでいくんや」って。わたしなるほどなあと思いましてん。そうか、人間死んでも、それまで共に生きてきた縁(ゆかり)のある人びとの心のなかにとけこんでいくんや。逆に言うたら、見送った別れとうないもんとの悲しみや、いとおしさをつつみこんで、一緒に生きていくんや。そう思いましたらね、ちっともさびしくないなあと・・・

これは、連載エッセイ「老いといのちの硯箱(すずりばこ)」最終回の言葉です。奈良県在住の児童文学作家でお坊さんの中川真昭さんによるものです。毎回楽しみにしていました。「ご院主さん、このたび入院なさるってほんまですか。そんなら、くれぐれもおだいじに」と締めくくられていました。
 思わず笑顔がこぼれるお話の数々でした。感謝。合掌


北へ帰る白鳥と夕日

220号  3月15日午後5時40分ちょうど西山に日が沈む時間、V字編隊を組んで北に向かう白鳥の姿がありました。無事にシベリアに帰り着いてほしいと願いながら遠く見えなくなるまで見送りました。平和の使者を。
 3月上旬から白鳥の鳴き声が聞こえていました。騒音になるような大きな声で。毎年この時期、新潟県で越冬していた白鳥が群れつくって北に帰っていく姿が頻繁に見られます。前島の田んぼにも、20羽ほどの白鳥が羽を休めていました。


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