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219号 感話: 新しい「領解文」 (浄土真宗のみ教え) [ 令和5年3月3日 ]

一気に春到来

219号 感話: 新しい「領解文」 (浄土真宗のみ教え)  春の陽射しが嬉しいです。2月27日朝の天気予報では沖縄の一部を除いて日本列島全域に晴れマークが並んでいました。ようやくの春です。コロナが収まってはいませんが、人が動いてたくさんの笑顔が戻ってきています。プロ野球ではWBCが近づいてオープン戦初戦でさっそく佐々木朗希選手が躍動しました。160km超えの速球で三振を奪うと、どよめきの声が画面越しに聞こえてきました。サッカーではJ1に昇格した新潟アルビレックスが強豪サンフレッチェ広島に今季初勝利して今年の活躍がますます楽しみになってきました。

 写真は2月28日朝 前日からの放射冷却で一面シミ渡りができました。日中にはぽかぽか陽気。一気に春を実感しました。


ウクライナ侵攻一年

219号 感話: 新しい「領解文」 (浄土真宗のみ教え)  目を世界に転じてみれば、トルコで大地震が起きて5万人を超す死者が報じられ、ウクライナでは依然としてロシアの侵攻が続いています。2月26日に放映された「NHKスペシャル:スクープ・侵攻72時間大統領側近明かす内幕ゼレンスキー暗殺計画ロシア軍大いなる誤算」に改めてプーチン大統領への強い憤りを感じました。そして侵攻直後から瀬戸際の72時間を乗り越えたウクライナ国民の結束と勇気に敬意を覚えました。それから1年、いまだにプーチンは平然と自らの正当性を主張し、ウクライナでの破壊を続けています。
 国連安全保障理事会でのことです。ウクライナ大使が侵攻1年で犠牲となった自国民のいのちに黙祷を促すと、ロシア大使が異議を唱え、ロシア兵士の犠牲者も加えるように提案しました。一瞬の間をおいて全員が立ち上がり黙祷しました。ニュースを見ながら、「何と厚かましい」と思いましたが、ロシア大使の意図とは別に、多くのロシア兵とその家族もこの侵略戦争の犠牲者に違いありません。どこまで続けるのか、どうしたら終わるのか、私たちに何ができるのか、春をよろこぶ気持ちに申し訳なさを感じます。お御堂におかれているお賽銭箱に皆さんのお気持ちが寄せられています。本願寺派たすけあい募金にお届けいたしました。ご協力ありがとうございました。

 写真は1月30日です。鐘楼の屋根は白鬼さん。長引く戦争に怒っています。


感話:新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)

南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)
「われにまかせよ そのまま救う」の 弥陀のよび声
私の煩悩と仏のさとりは 本来一(ひと)つゆえ
「そのまま救う」が 弥陀のよび声
ありがとう といただいて
この愚身(み)をまかす このままで
救い取られる 自然(じねん)の浄土
仏恩報謝(ぶつとんほうしや)の お念仏

これもひとえに
宗祖(しゆうそ)親鸞聖人と
法灯(ほうとう)を伝承された 歴代宗主(しゆうしゆ)の
尊いお導きに よるものです

み教えを依(よ)りどころに生きる者 となり
少しずつ 執(とら)われの心を 離れます
生かされていることに 感謝して
むさぼり いかりに  流されず
穏やかな顔と 優しい言葉
喜びも 悲しみも 分かち合い
日々に 精一杯 つとめます


219号 感話: 新しい「領解文」 (浄土真宗のみ教え)  親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年の慶讃(きようさん)法要が3月29日よりご本山で執り行われます。私ども元上組では4月14日に団体参拝いたします。気候としてもよい時期で楽しみにしています。
 この法要勤修(ごんしゆう)にあわせてご門主様より「新しい『領解文』(浄土真宗のみ教え)についての消息」が発布されました。御消息に「浄土真宗では蓮如上人の時代から、自身のご法義の受けとめを表出するために『領解文』が用いられてきました。・・中略・・しかしながら、時代の推移とともに、『領解文』の理解における平易さという面が、徐々に希薄になってきたことも否めません。(そこで)唱和することでご法義の肝要が正確に伝わるような、現代版の『領解文』というべきものが必要になってきます。」と記されています。このたびの慶讃法要趣意書には付帯事項として、新しい領解文の普及がうたわれ、さまざまな機会に拝読、唱和が奨励されています。


 これまでの領解文は「もろもろの雑行雑修(ぞうぎようざつしゆ)自力のこころをふりすてて、・・」の文言ではじまる文章で、僧俗を問わず多くの人に唱和され、慣れ親しんできたものです。蓮如上人がお書きになった「ご文章」は、発声されることばを参集者は正座して頭を少し垂れて拝聴することが作法とされていますが、領解文は「領解出言(りようげしゆつごん)」という合図で参集者が唱和することを作法としています。そもそも領解文は、聴聞のあとに、浄土真宗のみ教えを自分はこのように領解(理解)いたしましたと、ひとりひとりが表明したことにはじまりました。それが儀式化され、江戸時代の初期に現在の文言とスタイルが定着したと言われています。
 敢えて批判をおそれずにいえば、このたびの新しい『領解文』の発布は少しばかり唐突に感じました。1月16日本山での御正忌報恩講ご満座(最終日)に発布され、同日の本願寺新報号外、および本願寺新報2月1日号で解説が加えられて大々的に報じられました。それ以降本願寺での研修会でも開会式に唱和があり、寺院には関係資料が届けられています。宗教関連のニュースは一般のメディアでは取り上げられませんが、ネットではさまざまな意見が飛び交っています。
 現ご門主様が就任されて、若い世代、これまで浄土真宗にご縁のなかった人々にも、浄土真宗のみ教えを伝えていこうという取り組みが熱心にすすめられています。分かり易いことばでご法義を語る工夫は、私たち僧侶の大きな課題になっています。この機会に共々に学びが深められたらと思います。合掌


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