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217号 感話:法に遇う 人に遇う -私の聴聞記- 小林章栄著 [ 令和4年12月31日 ]

師走の大雪

217号 感話:法に遇う 人に遇う -私の聴聞記- 小林章栄著  この冬は比較的暖かく、雪がない師走を喜んでおりました。ところが12月18日午後から降り始め、19日夕方まで止むことがありませんでした。この大雪は近年では「経験したことのない」ものでした。
12月23日の朝日新聞天声人語に草野心平の詩「ゆき」が紹介されていました。ひらがな92字の詩、執拗な繰り返しがいつやむともなく降り続く雪の情景だと、全文が引用されていました。

 ゆき  草野心平
しんしんしんしん
しんしんしんしん
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしんゆきふりつもる
しんしんしんしん
しんしんしんしん


217号 感話:法に遇う 人に遇う -私の聴聞記- 小林章栄著  JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)は線状降水帯の冬バージョンです。近年の地球温暖化がもたらしているようですが、ごく狭い範囲で長時間にわたって降雪が続くといわれ、このたびの大雪でも柏崎や長岡など中越地方平野部は12月としては観測史上最大になっているのに上越地方、また妙高などでは数センチの積雪でした。同様のことが一週間後のクリスマス寒波でも起きました。最大限の警戒が呼びかけられ、各地で大雪の報道がありましたが、長岡では全くといってよいほど降りませんでした。一時は100cmあった積雪がたちまちに減り、今は30cmほどでしょうか。これもまた「経験したことのない」ものでした。


謹賀新年

217号 感話:法に遇う 人に遇う -私の聴聞記- 小林章栄著 あけまして
 おめでとうございます
  本年もよろしくお願いいたします
令和五年 元旦
託念寺住職 鷲尾純一
坊守 鷲尾吉子
当院 鷲尾顕一

 卯年 干支の木目込みは新年号の定番でした。
 関ハナさん(釋百花)が昨年10月ご往生されました
 行年97歳。合掌


令和5年度託念寺年始門徒総会

217号 感話:法に遇う 人に遇う -私の聴聞記- 小林章栄著   1月2日(月)午前11時~12時
 おつとめ:お正信偈  年頭法話:住職  
 令和4年度事業報告・決算審議 令和5年度事業計画・予算審議
なお、コロナウイルス感染対策として、今年も新年懇親会は致しません。どうぞマスク着用にてご参拝ください。


感話 法に遇う 人に遇う -私の聴聞記- 小林章栄著

タイトルがステキです。年の初めに相応しいご本です。小林章栄さんは寺の隣にお住まいです。18歳のときお母さんが突然亡くなられ、それが私の祖父とのご縁の始まりだったと振り返っておられます。父が住職だったときには常に行動する念仏者でありました。私もまた、いつも支えられ励まされて住職を務めさせていただいています。本書にはさまざまな法縁が綴られ、「法に遇う 人に遇う」ことが仕合わせと受け止められた章栄さんの生き方が、鮮やかに浮き上がってきます。全編を読んでいただきたく思いますが、ここでは「あとがき」を紹介いたします。本書をご希望の方は私または小林さんにお申し出ください。


217号 感話:法に遇う 人に遇う -私の聴聞記- 小林章栄著  あとがき 
 お寺の聞法会などに出ると、「おかげさまで、仏法を聞かせていただいて、腹を立てることがなくなりました」とニコニコ顔で話される方があります。そんなときどうしようもなくよそよそしさを覚えてしまいます。
 そうかと思えば「仏法を聞かせていただいて、腹ばっかり立てる自分の身勝手さがしみじみ思い知らされます。それでも些細なことにまた腹を立ててしまいます。その都度自分の根性が出たなと気づかされます」とおっしゃる方もおられます。私は大きく頷きながら、ぐっと親近感、同体感が沸いてくるのを感じます。
 仏法(お念仏)は、より立派な、いい人間になれるとか、醜い性分が賢く美しいものに変わる話ではありません。また、それを目指しているわけでもありません。
 ならば、仏法を聞く値打ちはないではないかと反論されるかもしれませんが、仏法を聞いて、少しくらい努力精進したところで、持って生まれた性根は変わるものではありません。愚かで汚い自分を「これだけの私です」と腰をかがめて受け入れていくところに、しなやかで柔和な世界がひとりでに開けてくるのではないでしょうか。「ひとりでに」は「自然:あるがままに」ということでしょう。こうなったら素晴らしいですね。
 「徳は孤ならず必ず隣あり」といいますが、「信また孤ならず」と言えましょう。信とは宗教心といったら狭いでしょうか。もっと広くいえば「生きるための心の拠りどころ」でしょうか。その信は必ずよき師を仰ぎもつものです。そして信の人の周りには、必ずよき仲間が生まれます。それを仏(師)法(教)僧(仲間)という何ものにもまさる三つの宝として大切にしてきました。振り返れば、私は幸いにも、よき教法のもとに、よき師、先覚の後ろをよき仲間と共に歩み続けてこられました。
 この冊子は、私が仏法に遇い導かれ、有縁の方々に遇い育まれた人生に、感謝したいと思い書き綴りました。
令和4年5月


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