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215号 感話:どんなかんじかなあ [ 令和4年11月2日 ]

冬支度

215号 感話:どんなかんじかなあ  いよいよ寒い季節に入りました。
 すでに暖房のお世話になり、ニュースで報じられる電気料金や燃料代の値上げが心配になります。
 コロナ感染者数の報道が少なくなり観光地もスポーツ観戦も人出が戻っています。先般の日本シリーズは熱戦が続き盛り上がりました。そして改めて応援の力を思いました。
 ハロウィーンの大惨事がありましたが、私どもの園ではかわいらしいカボチャキャンドルが子どもたちを楽しませてくれました。


別院親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要に参拝して

 親鸞聖人が教行信証をとりまとめられた1224年(元仁元年)をもって浄土真宗が成立したと見なし、立教開宗の年と定められました。再来年が立教開宗800年にあたります。親鸞聖人は、そのとき52歳でした。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公北条義時はこの年に62歳で亡くなり、翌年には尼将軍と呼ばれた北条政子が69歳で亡くなりました。親鸞聖人が越後から関東に移られたのが1214年(建保2年)のことでしたから立教開宗までの10年間が大河ドラマの最終盤の展開になるわけです。1207年(承元元年)、法然上人と親鸞聖人は後鳥羽上皇によってご流罪になりましたが、その後鳥羽上皇は朝廷復権を目指して北条義時討伐を画策して敗れ1221年(承久3年)、遂には隠岐ノ島に配流になりました(承久の乱)。親鸞聖人は激変の時代を京都、越後、関東と移動され、時代を動かしていた人物と非常に近いところで直接の影響も受けながら、教行信証を執筆され浄土真宗を開宗されたことが改めて知らされました。権力闘争の中で政敵を次々に滅ぼしていくありさまを親鸞聖人はどのような思いで見ておられたのでしょうか。親鸞聖人の門弟は武士あるいは武士出身者が主体だったと今井雅晴先生は指摘されています。「鎌倉時代の社会のなかで生きた人々は問題解決を鎌倉時代の方法で努力した」と記されています(「親鸞の家族と門弟」法蔵館)。そのような視点で見直すことも興味深いことだと思います。


215号 感話:どんなかんじかなあ  記念布教では讃題に「噫(ああ)、弘誓(ぐぜい)の強縁(ごうえん)、多生にも値(もうあ)ひがたく、真実の浄信、億劫(おくこう)にも獲がたし。遇(たまたま)行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ」(教行信証総序)が称えられました。親鸞聖人が阿弥陀さまの願いに遇われ慶ばれたように、私たちは今親鸞さまのみ教えに不思議なご縁で出遇わせてもらっています。
記念行事、本宮宏美さんのフルートコンサートもよかったですよ。オープニングでは山口百恵が歌った「秋桜(コスモス)」。何故か涙があふれてきました。この曲、さだまさしが作詞作曲なんですね。フルートの音色でしばらく会えないでいる弟を思い出し、秋桜の歌詞が思い浮かんで寺で仏前結婚式をした娘のことが甦りました。本宮さんはご自分が手がけられた楽曲をいくつも演奏してくださいました。直前まで降っていた強い雨も上がり、別院本堂は軽やかで澄んだフルートの音が響きわたっていました。長く続いていたコロナ禍のトンネルから少し光が見えてきたような気持ちになりました。大勢の人が集うってイイナと思いました。


感話 どんなかんじかなあ

215号 感話:どんなかんじかなあ 新潟別院で開催されたビハーラ新潟研修会に参加しました。とても魅力的な研修会でした。テーマは「絵本で寄り添う心のケア」。講師は絵本セラピストのひろかわかよこさん。改めて絵本のパワーを感じました。先生が紹介された絵本の一冊に「どんなかんじかな(中山千夏・文 和田誠・絵)」がありました。絵本の中身もよかったのですが、中山千夏さんのあとがきに触れて「思いやること」「やさしさの原点」を思いました。


<千夏のあとがき>
にこにこ、素敵な女の子に会った。やりたい勉強があって、大学を目指してはりきっていた。電動の車椅子に乗っていた。体の中で、自分で動かすことができるのは、指先と、目や口だけだった。日に日にだんだん体が動かなくなる病気。聞いたこともない難しい名前の病気。日本で三人くらいしか例がなく、治療法は今のところない。にこにこ、素敵な女の子だった。彼女と会って、話して、いろいろなことを考えた。障害のある友だちのこと。ない友だちのこと。自分自身のこと。みんなそれぞれ何かしらどうにもならない辛さを背負っているということ。でも生きられる。いっしょになら生きられるということ・・・・。彼女は私にいろいろなことを考えさせてくれた。そして、「どんなかんじかなあ」が生まれた。ひろくんと彼の友だちの話が、あなたにいろいろな考えを運んでくれたらいいな、と思う。


215号 感話:どんなかんじかなあ  私たちは人の辛さや痛みを、自分のことにすることはできません。金子みすゞさんは「さびしいとき」という詩で「わたしがさびしいときに ほとけさまはさびしいの」と書かれています。そのまえに「おかあさんはやさしいの」とも書いています。「人のことを思いやる」とは自分がそうなったら「どんなかんじかなあ」と想像することなんですね。それがやさしさにつながっていくのですね。
 私は連れ合いと元気にしていますが、「ひとりになったらどんなかんじかなあ」と思います。仏さまは「だいじょうぶだいじょうぶ」と頷かれるだろうけれど「どこがだいじょうぶなんだろう」と愚痴をこぼしそうです。そんな愚痴を聞いてくれる人がどれほど有り難いか。それもそうなってみないと分かりません。合掌

<お知らせとお願い>:今年も「こんな食料品をお持ちください」を実施します。
 11月12日(土)~20日(日)) 時間帯:午前8時~午後5時 託念寺本堂


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