208号 感話:今こそ「世の中安穏なれ 仏法弘まれ」 [ 令和4年4月4日 ]
卒園報告・卒業報告
三月は別れの季節、巣立ちの節目でもあります。私どもの「前川こども園」そして地域の「前川小学校」の卒園式、卒業式がありました。こども園は卒園式を終えてからお御堂に移って卒園報告をします。保護者のご挨拶に 「『みんなちがって みんないい』の言葉のように、ありのままを認め、他の人も自分自身も大切にする心を忘れず、個性豊かに輝いていけますよう今後も見まもっていただきたい」とありました。子どもたちの成長を喜ぶと同時にそれぞれがカッコよく羽ばたいてほしいと心から願いました。
その前日には小学校の卒業式を終えたかつての卒園生が阿弥陀さまに感謝の報告をしたいとお参りしてくれました。お御堂に入るや「ああ、この匂い、懐かしい」、「お御堂でくもの糸を見たよね」と六年前にスキップバックして語り合う姿がありました。あらかじめ卒園当時の写真を何枚も取り出して、園長(連れ合い)と名前を確認していたのに、あまりに大きくなって名前と顔のマッチングができない子も何人かいました。思わず「みんなが大きくなった分、理事長先生はおじいさんになってしまったでしょ」と言えば、「全然、かわっていなーい」と子どもたちが応え、人を喜ばす気遣いに一同笑いに包まれました。
私は、「皆さんこそが持続可能な世界を作り上げてほしい」とはなむけの言葉を贈りました。
感話 今こそ「世の中安穏なれ 仏法弘まれ」
ロシアによるウクライナ侵攻から一ヶ月が経ちました。テレビから流れるウクライナの惨状に言葉を失っています。ウクライナの多くの都市がロシア軍の攻撃にさらされています。爆弾によって破壊されたアパートにはそれぞれに家族が暮らし、笑顔で食卓を囲む日常があったはずです。大切に使ってきた家具やひとり一人にとっての思い出の品々もあったはずです。それらがすべて全く無差別に奪われてしまっています。この破壊行為にどんな大義があるのでしょうか。プーチンにとっても、自分の命が大切なはずです。自分と同等であるはずのひとの命を脅かし奪うことを正当化するどんな正義があるというのでしょうか。プーチンを取り巻く人々が本当に平気でいられるのでしょうか。世界中の叡知を絞ってこの戦争を一刻も早く終わりにしてほしいと思います。化学兵器、生物兵器、そして核兵器までも使用の可能性が取りざたされています。決して使ってはならない兵器をどうして開発するのでしょうか。そもそも兵器を作ること、保有することの愚かさを知りながらこの愚行を繰り返し続けるのはどうしてでしょうか。第二次世界大戦を振り返れば、日本もまた愚かなことをしてきました。日本中が焦土と化すまで戦争を終えられませんでした。
「世の中安穏なれ 仏法弘まれ」は親鸞聖人七百五十回大遠忌法要で掲げられたスローガンでした。「仏法弘まるところ兵戈無用(ひようがむよう)(兵力・武力は要らなくなる)」と仏説無量寿経で説かれています。「仏陀の言葉」と伝えられる法句経には「すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。己が身にひきくらべて殺してはならぬ 殺さしめてはならぬ」とあります。世界のリーダーたちが、武器のない世界を目指す努力をどうか進めてほしいと思います。合掌
本堂の賽銭箱にて4月20日まで「ウクライナ支援募金」を実施します。ご協力をお願い致します。
新潟日報「窓」欄」の記事は、
青山町の古塩正一さんが投稿されました。「今こそ子や孫に伝えなくてはと思う」
令和4年3月26日付新潟日報窓欄より
お取越し報恩講
19日(火) 午前10時30分~
お勤め:お正信偈ご和讃六首引
法話:真敷祐孝師 (本願寺布教使 雲外寺住職)
親鸞聖人七百五十回大遠忌から10年になります。今の時代こそ聖人のみ教えに耳を傾け、み教えに学びましょう。ご聴聞の大切な機会です。ご参拝ください。
コロナ禍のもと感染防止対策をとってお参りくださるようお願いいたします。
お斎は今年もありません。お弁当をお持ち帰りいただきます。
ウクライナ支援特別企画 映画ひまわり DVD上映会
4月10日(日)午前8時から 日曜法座の特別企画
映画「ひまわり」-戦禍の悲しみに思いはせ- (新潟日報3月26日付「座標軸」より)
イタリアからロシア戦線に送られ行方不明になった夫の帰りを待ち続ける主人公ジョバンナ(ソフィア・ローレン)。目撃証言を頼りに、最愛の人の生存を信じてウクライナへと旅立った彼女を待っていたものは-。 作中にはヒマワリが一面に咲くウクライナの大地が登場する。戦禍で倒れた人々の遺骨が眠っているというヒマワリ畑で、一心不乱に夫を探すジョバンナの姿が、戦争の悲惨さを映し出す。 ・・・・・