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201号 感話:パラリンピックを愉しむ [ 令和3年9月4日 ]

秋の気配

201号 感話:パラリンピックを愉しむ  緑から黄色に、稲穂が次第に実を蓄えて、刈り取られるときを待っています。このまま台風や大雨にならずに天気も応援してほしいと思います。
 自然は大きな恵みをもたらしますが、ときには災害にも見舞われてしまいます。今年はお盆の時期に梅雨末期のような豪雨が日本の広い地域に被害をもたらしました。コロナ感染禍の中、ようやく開催にこぎ着けた高校野球は何度も雨天順延になってしまいました。


201号 感話:パラリンピックを愉しむ  お墓参り13日は、朝から雨模様でした。気温も上がらず、「こんな天気ははじめてですね」と挨拶を交わしながら、お墓にお花をお供えして手を合わせておられる姿が一日続いていました。寺の本堂や無量寿堂にも多くの方々からお参りいただきました。久しぶりにお会いできるこの日ならではの光景が保たれていたように思います。今はなき多くの方々へ感謝のお花が輝いていました。


 暁天法座の御礼

201号 感話:パラリンピックを愉しむ  恵以真会主催の暁天法座は8月6日、7日、8日に開催されました。今年も7日は前川こども園のお泊まり保育の子どもたちが中心のお参りでした。先生から絵本「さよならジャンボ」を読んでもらい、迎えに来られたお家の人の前で「私と小鳥と鈴と」を元気よく歌ってくれました。


201号 感話:パラリンピックを愉しむ  6日は大宮町在住の谷内田恵一さんから「マジックショー」を、8日は青山町の堀井實さんから「老いの愉しみ」をお話しいただきました。「マジックショー」は初めての試みでした。「私は人をだましてはいけない仕事に長年携わっていましたが、これから皆さんの目をいかにして欺(あざむ)くか、とくとご覧ください」と軽妙な語り口で、ご自身で音楽も操作しながら、まさにプロの腕前でありました。


 堀井實さんのテーマはキャッチフレーズとしても、共感でした。現実の老いは楽しいことばかりではありませんから、老いを受け止めて(終活)、ご縁を大切(縁活)に生きていきたいと思いました。コロナ禍によって集うことが制限され続けていますが、ともに笑顔の時間を過ごす大切さ(集活と笑活)を実感いたしました。


感話 パラリンピックの愉しみ

201号 感話:パラリンピックを愉しむ  娘が連れ合いの誕生日に長男とのツーショット写真を送ってくれました。中学1年の春休みに会ってから1年半が経過しました。すごいインパクトでした。娘の背の丈をはるかに超えているではありませんか。「お父さんももうじき超えるかも」ちょっと自慢げなひと言が添えられていました。急に会いたい思いがこみ上げてきました。
 私どもが結婚する前に、遠距離で暮らした時期がありました。1ヶ月に一度会えるかどうかの日々を待ちわびていた昔を思い出していました。
 オリンピックロスになっていましたが、パラリンピックに新たな感動をもらっています。オリンピックとパラリンピックがセットになって「多様性と調和」が演出されています。「多様性と調和」とは「みんなちがって みんないい」と同義だと思っています。
 オリンピックの最終日、男子マラソンで服部勇馬選手が倒れ込むようにゴールラインに到達しました。翌日の新潟日報に増田明美さんのコメントが載っていました;「服部選手はよくゴールまでたどり着いた。氷が入った袋を握りしめて一歩一歩進む姿こそ、どんなことがあってもゴールするんだという意思の表れだと感じた。感動した。私は出場したロサンゼルス五輪のマラソンを16キロで棄権した。自分の惨めな姿をテレビで見られるのが恥ずかしいと思った。私はあの状況になってもゴールにたどり着いた服部選手をただただ素晴らしいと思う。」(新潟日報R3.8.9)
オリンピックの閉会式、パラリンピックの開会式には嬉しい映像が流れました。Eテレ(教育テレビ)では総合テレビの手話通訳とは別仕立ての手話同時通訳が流されていました。その手話キャスターは私が筑波大学で教官を務めていたときの指導学生でした。戸田康之さんといいます。彼は重い聴覚障がいがあります。SNSには彼への賛辞が送られていました;「手話通訳の人の表情の豊かさハンパない、可愛くて目が離せん。誰か、手話通訳さんたちにも頑張ったで賞の金メダル🏅を!!」
 パラリンピックには聴覚障がい者の部門がありません。視覚障がい部門は水泳、陸上、サッカーなどでアスリートが活躍していますが、聴覚障がい者は運動面でのハンディキャップがないと判断されているからでしょう。パラリンピックで活躍の場がないのは残念と思っていました。NHKのさりげない配慮に感謝です。パラリンピックのリポーターとして人工内耳を装着している後藤佑季さんも活躍しています。後藤さんは、パラアスリートを「覚悟がある人たち」ととらえて、大舞台にたどり着くまでの人生ものがたりを伝えようとしています。そのことばに注目したいと思います。
 パラリンピックがはじまって次々に感動のシーンが生まれています。日本人最初のメダリスト阿賀野市の中学3年生山田美幸選手は「無欲は怠惰の基」という渋沢栄一のことばとの出遇いを語りました。
 走り幅跳びの山本篤選手は義足のスプリングを最大限に生かすジャンプを空を飛ぶような姿で見せてくれました。トライアスロン銀メダルの宇田秀生選手の笑顔にどんな覚悟があったのでしょうか。 合掌


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