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193号 感話:めでたさも ハンパないって おらが古稀 [ 令和2年12月28日 ]

あけまして おめでとうございます

193号 感話:めでたさも ハンパないって おらが古稀 昨年は多難な一年でした。
そんな中で大きな病気もせずに過ごせたのはまさに「有り難し」でした。
てらだよりで年賀状に使ったレイアウトをそのまま貼り付けました。その写真が12月16日の大雪です。


大晦日除夜の鐘

193号 感話:めでたさも ハンパないって おらが古稀  23時45分からです。どうぞお参りください。
 天気予報では数年に一度の寒波と報じています。
 恵以真会の皆さんがかがり火を焚いて準備して お迎えくださいます。
<コロナウイルス感染防止対策>
 鐘楼前の御仏酒は紙コップを用意します。
 
 0時から 元旦読経
 勤行:お正信偈 
 鐘を撞いてお御堂でお参りください
  恵以真会の皆さんに感謝です

 写真は去年の除夜の鐘撞きです


年始総会

1月2日 (土)
 コロナウイルス感染防止対策として、新年懇親会は致しません。
午前・午後の二部制と致します。
11時~ 前島地区の方
14時~ 前島地区以外の方
おおまかな区分けです。ご都合に合わせてください。
令和2年度事業報告・決算審議
令和3年度事業計画・予算審議
 勤行:お正信偈
 年頭法話:住職  


「子どもたちの笑顔のために」募金


ご報告と御礼
12月10日 金額:46,611円
日曜法座等でのお賽銭をお届けいたしました。
届け先:本願寺派重点プロジェクト推進室


終い講御礼 12月20日

令和2年最後の日曜法座に大勢の皆様にお参りいただきました。例年であれば、昼食会とお楽しみ会をセットにしていましたが、今年はそういう訳にはいかず、「お勤め」を一同で唱和して、「かさこじぞう」のお話しをプロジェクター絵本で味わっていただきました。坊守による朗読が、ちょっとだけ仙台なまりも混じって新鮮だったでしょうか。
 「かさこじぞう」は、「笠じぞう」とも言いますが、雪の降った年の暮れに聞く季節限定の昔ばなしです。お正月にせめてお餅をつきたいとすげ笠を作り、じいさまは大晦日の町に売りに出かけます。ところがひとつも売れず、その帰り道、のっぱらの吹雪の中で立ち尽くすお地蔵様にであいます。「おうおう、寒かろうのう」と持っていた笠を一つひとつかぶせて、足りない一体には自分の頭の手ぬぐいまで掛けて、じいさまは家に戻ります。家で待っていたばあさまは、そのいきさつを聞いて、「それはいいことをしなすった」と労いの言葉をかけるのです。この瞬間(とき)、私たちはホッと安堵の気持ちを覚えます。このじいさまとばあさまの優しさに、仏さまのお慈悲が感じられ、そのまま自らの仏心に気づかされます。
 折しも16日から17日にかけての大雪で関越自動車道が大渋滞し、岩塚製菓のトラックドライバーさんが、積んだ米菓を空腹と寒さで気弱になっている人たちに配り、温もりと元気を届けたと報じられました。ドライバーさんも、早く目的地に届けなければ先方が困ると切なかった状況だったのに、利他のこころでしょうか。嬉しくなりますね。会社に戻り「いいことをしなすった」と労いの言葉を掛けられたことでしょう。


感話:めでたさも ハンパないって おらが古稀

193号 感話:めでたさも ハンパないって おらが古稀 70歳を古稀といいます。本来は数え年のことですからもう過ぎていましたが、先日誕生日を迎えて満70歳になりました。「古来稀(まれ)なり」が長寿社会になって稀ではなくなりましたが、自分の人生を振り返れば、70年間も生かさせてもらったという思いになります。誕生日にお風呂につかりながら、18まで前島で過ごし、その後は東京が5年、仙台が6年、北九州が7年、埼玉が2年、横須賀に9年、つくばに6年、また前島に戻って17年です。合計すると前島に35年、それ以外で35年。そんなことを思い浮かぶままに考えていました。70年の月日、いろんなことがありますね。嬉しいことも、恥ずかしいことも、人に言えないことも、人に言いたいことも。何かを書こうとするのですが、嬉しいことは自慢げに聞こえたり、恥ずかしいことはやっぱり言えないし・・・・  それは、昭和50年のことでした;
 この冬は大学院博士課程の入学試験を控えてそれを理由に前島に帰らずに仙台で年末年始をひとりで過ごしました。12月31日の夜、布施明の「シラクメンのかほり」がレコード大賞を受賞した時刻、仙台の喫茶店である女性と会っていました。こんな日のこんな時間によくぞ会いたいと言ったものです。その1ヶ月ほど前に私から長いラブレターを書いて、彼女からは「断り」の長い手紙をもらっていました。 その年の10月に父は保育園の通園バスで交通事故を起こし、新聞に大きく報道され、重傷で病院に運ばれました。ラジエーターが破損して熱湯が太ももにかかり大やけどを負ってしまいました。歳の暮れにはまだ退院したばかりで、私も戻らずに父と母はどんな正月を過ごしたのでしょう。
 今も「シクラメンのかほり」を聞くとあのときが思い起こされます。小椋佳も歌っていました。「布施明のように熱唱しないで、静かに歌うのも味わいがあるね」とそんな会話もあったかもしれません。大晦日の夜に、ただ喫茶店で話しただけでした。何を話したのか、何を話したくて会ったのかもよく覚えていません。ただ「よく出てきてくれたなぁ」と今でも思います。彼女は、ひとり受験勉強をしている傷心の男を励ましてあげようと思っただけなのかもしれません。「断った」ことへのせめてもの罪滅ぼしとして。
 今テレビと言えば薄型で壁にくっついているような画面が当たり前になっていますが、こんなに進化したテレビの将来を、40年以上も前にNHK総合技術研究所の境久雄先生が私たち二人に語ってくださいました。私たちの共通の恩師黒木総一郎先生の1周忌法要が鎌倉で行われ参列したときのことでした。境先生も黒木先生も聴覚音声研究ではかつて日本の第一人者でした。薄型テレビの実現も夢のようですが、今自動翻訳の進歩もめざましい発展を遂げています。スマホに日本語で話しかければ、それが文字になって出てきます。音声の自動認識です。それを英語に変換して表示できれば自動翻訳です。簡単な表現であればすでに可能になっています。この領域の草分け的研究をお二人はなさっていたのです。境先生は法要が終わったあと、湘南海岸のドライブに誘ってくださいました。私たちを勝手に恋人同士と思い込んでくださったようでした。境先生のお話しは楽しかった。研究とは夢をもちそれを実現するために打ち込むものなのだと、静かな語り口でお話しくださいました。人との出遇いは本当に不思議でドラマチックです。黒木先生との師弟関係はたったの10ヶ月。境先生との出来事は1回きりのことでした。そしてその1年後に結婚することができました。自分に起こる一つひとつの出来事の、どれが欠けても今の私はないということでしょうか。昔ばなしに付き合っていただきありがとうございました。 合掌


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