184号 感話:ガマンのとき [ 令和2年4月2日 ]
お詫び:春のお彼岸「家族礼拝の日」中止
3月20日に予定していましたが、新型ウイルスの感染防止のため中止に致しました。講師の佐藤眞知子さんには大変申し訳ないことでありましたが、ご了承いただきました。あわせて秋の彼岸会での実施をお願いし、お受けいただきました。また、主催の恵以真会役員の皆様には中止のお知らせを各戸に配布していただきました。ご協力ありがとうございました。
お彼岸の中日は寒い日となり、午前中には雹(ひょう)やあられが降って一面白くなりました。こんな天候でもお墓参りされる方の姿がありました。お彼岸の1週間が終わってみるとお墓には例年以上にお花が供えられていて、お浄土人(びと)への思いを感じさせていただきました。そして夕方6時の鐘撞きをはじめています。いつの間にか6時が夕焼けの時間となりました。
なおコロナウイルスに関連して、恵以真会行事として3年に一度開催している初参式を、今年は取りやめて来年に延期することに致しました。
お取越し報恩講のご案内
19日(日)午前10時30分~
お勤め:お正信偈ご和讃六首引
法話:真敷祐孝さん(本願寺布教使 雲外寺住職) お斎(お持ち帰り)
親鸞聖人の御遺徳を偲び、御恩徳に感謝します。ご参拝をお待ち致します。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、例年ならばご講師を交えてお斎をいただくところですが、今年は折とお酒をお持ち帰りいただくことと致します。
成長の姿に感謝
これを執筆している今日、私どもの保育園で卒園式が行われました。おかげさまで一人の欠席もなく、保護者の皆様とともに子どもたちの成長した姿をお祝いすることができました。身内の自慢をするようで恐縮ですが、子どもたちは実に気持ちのいい子たちです。卒園式のお別れ発表は感動でした。私はたくさんの笑顔をもらって仕合わせでした。感謝です。
その前日、前川小学校の卒業生が卒業報告に保護者の方々と共にお参りされ、中学校の制服を着てまぶしいばかりに成長した姿を見せてくれました。仏前に座り、阿弥陀さまに手を合わせてこれまで育ててもらったことへの「ありがとう」のこころを表すことができました。
事前に6年前の保育園年長組時代のファイルを開いていると、記念写真「アオーレ長岡デビュー」が見つかりました。長岡市手話サークル40周年記念「金子みすゞコンサート」に招待され、特別出演を果たしたときのものです。その時のことを写真と共に振り返り、「私と小鳥と鈴と」を手話をつけて歌いました。少しはにかみながら、みんなで一緒に笑顔で歌うことができました。ホントに素直な子どもたちです。みんなちがって、それがいいのです。ひとり一人が誰にも代わってもらえない「私」のいのちを輝かせてほしいと思いました。ありがとうございました。
感話:ガマンのとき
オリンピック・パラリンピック東京大会がついに延期になりました。大変残念なことですが、仕方がありません。延期になることで、さまざまな領域で大きな影響が出ることが予想され、そのことが心配です。この先どうなるか分からないことが、不安をより一層大きくします。いろいろな事象が予測可能になってきているとはいえ、それはまだちっぽけなものです。また、仏教では縁起ということばで「つながりあって生きている」ことを説明いたしますが、つながりの度合いはますます濃く、影響し合う速度も速くなっています。自分のことだけを考えればいいのではないことにも気づかされます。こんなときに責任のなすり合いではなく、同じ地球の上で暮らす仲間として、解決の糸口を見つけ、沈静化するために、共に知恵を出し合い、協調していくことが大切だと思います。
今は、何とか感染拡大を防ぐことと、日常の暮らしを維持するため対策が求められます。スポーツや芸術などメジャーなイベントだけでなく、私たちの身近な行事や会合についてもその対応に苦慮します。配慮はしながら、人とのつながりは保ちたいと思います。今の状況が続くと、外に出てお仲間と交流する機会も減ってしまいます。人間は社会的な動物です。若者はSNSを活用しながら会わずに交流する方法を作り出してもいるようですが、私たちの世代はやはりリアルタイムで直(じか)に温もりを感じたいのです。終息の兆しをいっときも早く待ち望みます。
こんな日々が続く中、NHKの朝ドラ「スカーレット」が最終週を迎えました。毎朝楽しみに見ていました。武志が難病に冒され、母喜美子と最後の数年間を葛藤しながらも前を向いて生きていく姿に、ときには涙を流しながら希望の力をもらった気がします。
「いつもと変わらない一日は 特別な一日」と武志が白いボードの上に書き込みました。 「今日が私の一日なら 何かをやり遂げた一日にしたい」とつい思ってしまう私ですが、いつもと変わらない一日は、当たり前ではなく特別な一日だったのです。いつも変わらず迎えていた新規の春は、今はガマンの春です。 合掌