浄土真宗本願寺派 託念寺のホームページ

浄土真宗本願寺派 託念寺

182号 感話:分かちあう心の進化 [ 令和2年2月2日 ]

令和元年から2年へ

182号 感話:分かちあう心の進化 年末の仏具お磨きすす払い、大晦日の除夜会、元旦参り、年始総会と行事が続きました。多くのお陰さまで新しい年がスタートいたしました。年明け早々にご門徒の皆様から維持費をお納めいただきました。身が引き締まる思いです。この場を借りて御礼申し上げます。今年もよろしくお願いいたします。

写真は除夜会元旦読経の様子です。


雪のないサイノカミ

182号 感話:分かちあう心の進化  これほどに雪の少ない年があったでしょうか。例年冬が近づくと今年の雪はどんなだろうかと心配し、屋根の雪下ろしをしない程度の降雪に留まってくれたらありがたいと願います。二年前の今頃は大雪でした。この時期は墓地に入ることができないのが通例ですが、今年は全く雪がありません。異常気象だとすれば、この反動が春以降心配になります。
 こんな中前川の各町内で「サイノカミ」が行われました。前島町は19日でしたが、雪のない中、朝から雨も雪も降らず作業は順調に進んだとお聞きしました。点火されると勢いよく燃えあがり、大きな火柱になり、歓声が上がりました。町内ではこの伝統行事を大切に伝え、多くの方々が協力して守っています。今年初めて恵以真会長の提案で、伝道板に貼られていた法語の模造紙を燃やしてもらいました。遠慮気味に藁(わら)の中にかくれていましたが、来年からは見えるところに飾ってもらえたらと思いました。


嬉しかったこと2題

182号 感話:分かちあう心の進化  大相撲初場所は幕尻徳勝龍が優勝して大いに話題になりました。土俵上での涙とユーモラスな優勝インタビューですっかり有名になりました。優勝を逃した正代の「いいなあ 優勝」のコメントも気持ちがストレートに伝わってきました。この場所、序二段で元幕内宇良が7戦全勝で優勝し、十両では元大関照ノ富士が優勝したのです。宇良のことは昨年6月のてらだよりで触れました。2度の大けがを乗り越え先場所から復帰していました。まだ先が長いかもしれませんが、頑張ってほしいです。きっと宇良が目標にしている力士が照ノ富士です。13日目まで全勝の活躍でした。二人とも両膝に大きな包帯を巻いているのでまだ不安も抱えていますが、ひたむきに努力している姿に励まされている人は多いと思います。これからも応援しますよ!!


182号 感話:分かちあう心の進化  もうひとつは映画「白い機関車」のことです。昨年秋の彼岸会で上映してから、16mmフイルムをDVD化して前川地域の文化財として保管できるようにならないか検討してきました。米沢市教育委員会にフィルムを返却する際、神戸にもこの映画を保管しているところがあると情報提供いただきました。フィルムの劣化もあり、専門機関に依頼してDVD化することに多少の費用はかかりましたが、前川のあゆみ研究会、前川地区協議会、託念寺恵以真会から資金協力を得て、このたび複製DVDが送られてきました。前川小学校創立140周年記念の年に実現して喜んでいます。60年前に私たちが小学校の図書館で映画を見たように、それが再現される様子を勝手に思い描いています。


感話 分かちあう心の進化

182号 感話:分かちあう心の進化  チンパンジー研究で有名な松沢哲郎さんの著書です(岩波書店 2018)。そのタイトルに惹かれました。進化の過程で分かれ広がって生息している動植物はそれぞれが固有の特徴を持っています。進化の結果として表れている特性です。どうして人間はこんな事をするのというものの中に、「人間とはそうするようにできている」といった特性がいくつも見いだせます。これこそが人間だと漠然と感じているものでもあります。謂わば人間の本性ですが、これをチンパンジーとの比較で見ていく研究を松沢さんは永年やってこられました。例えばこんな実験があります;
 レバーを10回押すと、好物の食べ物が出てくる仕掛けを作る。これは容易に学習する。次にチンパンジー二人AとBを同じ部屋に置いて、レバーの場所と餌が出る場所を離す。Aがレバーを10回押すと餌箱に餌が出てきて、たまたま餌箱の近くにいたBが餌をゲットする。しばらくするとAは、レバー押しをしてもBに餌をとられてしまう状況下ではレバー押しをしなくなる。Bが餌箱から離れているときにレバーを押して、餌箱に急行して餌を自分のものにする。それを見たBはAを真似てレバー押しをするが、かしこいAは餌箱の前で待機して出てきた餌を独り占めしてしまう。そのうちにBはいじけて部屋の隅に退いてレバー押しも餌待ちもしなくなってしまう。Aの一方的な独占である。AはBのための行動(利他的行動)を起こそうとしない。他の実験でもチンパンジーには互恵的行動が観察されなかった。
 他方で人間をみると利他的、互恵的と思われる行動が幼児期から観察されます。社会を作って外敵と戦い生き延びてきた人間は、分かちあうことでよろこびを感じるように進化してきたのです。「分かちあうことが自分の喜びでもある」という感じ方。仏様のお心(仏性)とつながっています。松沢さんは「分かちあう心」を強調され、私たち人間の未来に希望を与えてくださっていますが、自分の利益をいつも優先しようとする身勝手さも人間の本性だと恥ずかしながら気づかされます。人と共に生き、人のために生きようとする仏性が、進化の宝物として私たちに具わっていることを大切にしていきたいと思います。合掌



182号 感話:分かちあう心の進化

 写真は 年末の御堂大掃除 仏具磨きの様子です。


イメージ:ボタン

浄土真宗本願寺派 託念寺
〒940-1147 新潟県長岡市前島町211
TEL/FAX.0258-22-2998
E-mail.maeho44@crocus.ocn.ne.jp