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180号 感話:宗教者の役割-フランシスコ教皇と大谷光真前門主- [ 平成31年12月4日 ]

師走-今年を振り返る-

180号 感話:宗教者の役割-フランシスコ教皇と大谷光真前門主- この時期になると1年を振り返りたくなります。世の中の出来事としての1年もありますが、私にとってのこの1年で何をしてきたのかな、何があったのかなと思います。
 やはり母が亡くなったことです。不思議にも人としていのちをいただき、さまざまな人に出遇い、ご縁をいただき、そしていのちを終えたとき実に多くの方々のお世話になったと振り返ることができました。私自身はたっぷりの愛情を持って育ててもらったという感謝の思いがわき上がりました。また今、仏にさせてもらったことで、そのご恩に仏前で手を合わせることができるのだなと改めて喜ばせていただいています。
 11月10日に恵以真会の皆様はじめ多くの方のご協力で冬囲いをすることができました。お天気にも恵まれました。ありがとうございました。


有縁講に行ってきました

180号 感話:宗教者の役割-フランシスコ教皇と大谷光真前門主-  赤倉ホテルで開催される有縁講、元上組9か寺から80名のご参加があり、11月19日、20日バス2台で行ってきました。写真は、赤倉ホテルの大きなお仏壇の前で、皆さんの清々しい笑顔です。ご法話は飯山市正行寺ご住職井上慶真先生よりいただきました。
 高校野球をやっておられたご子息の野球部から「必勝祈願」を依頼されたそうです。「浄土真宗のお寺では勝利を祈ることはしません」と言ってしまえばそれまでですが、「試合ができるのはこれまでの練習を支えてくれた方々のお陰があってのことです。そのご恩に報いるためには全力を尽くして精一杯頑張ることです。」とお寺の本堂に集まられた野球部員、保護者の方々にエールを送られたそうです。「必勝祈願」とはそもそもこんな思いが込められているのだと改めて知らされました。



180号 感話:宗教者の役割-フランシスコ教皇と大谷光真前門主-  2日目長野別院、善光寺に向かうバスで、先般の台風19号で大きな被害を受けたところを通りました。浸水して営業ができないままのスーパーやお店、果樹畑には数え切れないほどの落下したリンゴが放置されたままになっていました。これから冬を迎えます。一日も早く復興できることを念願しました。

 写真は善光寺の境内に立つ親鸞聖人像です。松の木をもっておられます。


感話 宗教者の役割-フランシスコ教皇と大谷光真前門主-

180号 感話:宗教者の役割-フランシスコ教皇と大谷光真前門主- フランシスコ教皇が来日して長崎、広島で核廃絶を強く訴えられました;「核兵器から解放された平和な世界を実現するには、世界を覆う不信の流れを打ち壊さなければなりません。」「戦争のために原子力を使うことは、犯罪以外の何ものでもありません。核戦争の脅威で威嚇することに頼りながら、どうして平和を提案できるでしょうか。真の平和とは、非武装の平和以外にありえません。」明確で妥協のないメッセージです。「今、世界は手に負えない分裂の中にあり、それは人と人との関係をむしばみ、相互の対話を阻んでいます。」そして帰国前の上智大学では学生を前に「どんなに複雑な状況であっても公正かつ人間的であり、正直で責任を持つことを心がけ、弱者を擁護するような人になってください。今の時代において特に必要とされる誠実な人になってください」と話しかけられました。テレビの画面からも教皇のお人柄と強い志が感じられました。
 時を同じくして私たちの「み教えに学ぶ集い」では本願寺前ご門主様のご著書「いまを生かされて」を学習しておりました。ご著書のあとがきをご紹介いたします;
「原子力発電に対する私の考え」を明確に述べられています。「東日本大震災による原発事故は『想定外の津波』と言い訳してそれで済ませては大事な課題を覆い隠してしまいます。未解決な根本問題として、第一に現在の科学技術では、放射性廃棄物の無害化ができないことです。どこかに貯蔵しても子々孫々に残さざるを得ません。第二に、一度大きな事故が起これば、対処できなくなる可能性があることです。今回の事故はその典型といえるでしょう。第三は、原子力発電所を運転するためには、平常時でも、一定数の労働者の被爆が避けられません。誰でも危険な仕事を好むはずはありません。やむを得ず被爆を覚悟して働く人、弱い者が犠牲となります。少子高齢化が進む日本では経済状態のよくない外国から、労働者を入れることにつながります。差別の国際化が進むでしょう。それが美しい国のすることでしょうか。賢い国のすることでしょうか。」
 前ご門主様が本願寺門主在任中に書かれたメッセージです。全文を紹介できないのが残念ですが、ローマ教皇と同じように強い決意が感じられました。宗教者の大きな役割を感じました。 合掌

 写真は11月25日本願寺で撮影した御影堂前のイチョウです。


付録 「One Team 国籍を超えて」 託念寺恵以真会報97号より転載

 「スポーツは勝つことだけが目的ではない」といっても、勝つことはなんとすごいことなのだろうとラグビーW杯の日本活躍を見て思いました。私はまさににわかファンで、自分がこんなに一生懸命ラグビーを見るなど想像もできませんでした。ルールも満足に分からないのに、日本を応援するうちに次第に熱くなっている自分に気づきました。ルールというよりラグビーがどういうスポーツであるかが分かってきます。お相撲さんのような人もいれば、陸上選手のような俊足の人もいます。15人にそれぞれ役割があり、例えばかつての五郎丸さんや今回の田村選手のようにキッカーはいつも同じ人でスペシャリスト。
 チームスローガン「ONE TEAM」が話題になっています。「チームが一つになって戦う」ことはごく当たり前のことなのに敢えてスローガンにした意味が何かしら分かるような気がしています。まず外国人が多くいるのに驚きました。W杯は国対抗なのにこれでいいのか。リーチ・マイケルのように日本国籍まで取得した人はまだしも韓国出身の具智元(グ・ジオン)選手も日本代表になっています。ラグビーには独特の代表資格ルールがあり、国籍は必須条件にはなっていませんが、一度ある国の代表になると、その後は二度と別の国の代表にはなれません。これってすごいことです。具選手はもう韓国代表にはなれないのですから相当の覚悟が必要です。私は日本チームが勝ち進んでいくうちに外国人がたくさん混ざっていることに違和感がなくなり選手同士が勝利して歓喜している姿に心から拍手しています。選手があれほど死闘を繰り返しているのに「ノーサイド」のホイッスルが鳴るとお互いをたたえ合う姿にも感動しました。
 スポーツだけでなくさまざまな分野領域で国を超えて人の交流が広がっています。国と国が自国第一を掲げて摩擦を繰り返していることがなんとも愚かに見てきました。合掌


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