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179号 感話:ありがとうの魔法 [ 平成31年11月6日 ]

相次ぐ災害-10月13日の日記から-

179号 感話:ありがとうの魔法  台風19号が大きな爪痕を残して日本列島から離れていきます。今回は大規模な自然災害が予報として届けられていました。繰り返し備えをするようにメディアは伝えてきましたが、大きな自然の威力を前にして人ができることの小ささを感じてしまいます。こちらの風と雨はそれほど強くならなかったのに、千曲川の堤防決壊氾濫の様子を見てことばを失いました。前島の島畑が広がる土手にあがってみると、信濃川の水位が上がり、濁流が音を立てています。スポーツ広場は本流とつながって川の一部になっていました。古川は水門が閉じられ田んぼにも水があがっていました。長野の大雨は1日経ってこちらに大水をもたらすのだそうです。信濃川流域の各所で避難勧告情報が流されています。早く収まってほしいと祈るばかりです。大雨が降ったところは千曲川沿いの地域と妙高、上越地方です。私たちが有縁講や恵以真会の研修旅行でたびたび訪れた場所です。飯山市のお世話になった御寺院、小布施の町などは大丈夫だろうか。


179号 感話:ありがとうの魔法  こんな中、13日に予定していた日曜法座を急遽お休みと連絡いたしました。すると多くの方から支援米はどうすればいいですかと尋ねられました。前回の法座で東日本大震災被災地への支援米協力を呼びかけていたからです。できることは大きくはないけれど、支援したいという気持ちは小さくありません。これほど災害が頻発するとどこに支援をすればいいのか分からなくなります。自分ができるところにできる範囲ですればいいのかな。その気持ちも大切なのかも知れません


ノーベル賞の和顔施(わげんせ)

179号 感話:ありがとうの魔法  今年も日本の科学者がノーベル賞を受賞しました。吉野彰さんです。リチウムイオン電池を開発したことが評価されての受賞でした。開発に至った過程は難しいのだと思いますが、出来上がったものは私たちの生活に直結していて、その発明のすごさが分かります。電池の有り難さを忘れて「スマホの電池はすぐになくなりますね」と愚痴をこぼしていた自分が恥ずかしくなります。この電池は、なくなっても交換せずに充電すればすぐに使えます。デジカメもポータブル掃除機も皆その恩恵を受けて私たちが便利さを享受しています。LEDライトも日本人の開発でノーベル賞をもらいました。気がつけばわが家もほとんどLEDになりました。すごいことです。
 その受賞会見で吉野彰さんの笑顔が話題になっています。笑顔がステキです。普段から嬉しいときにあの笑顔が出るのでしょう。笑顔を見ていると自分の顔もほころんでくるのです。

写真は先月号でお伝えした「白い機関車」の長岡新聞掲載記事です。


感話 ありがとうの魔法

179号 感話:ありがとうの魔法  私たちのまわりにはたくさんの「ありがとう」があります。「ありがとう」といわれると嬉しくなります。私が言ってもらったとっておきの「ありがとう」を紹介します。
 昨年秋頃から歯がぐらつき、歯医者さん通いがはじまりました。右も左も上も下も奥歯の痛みを訴えました。順番に治療がはじまり、もう1年以上になりますが、ようやく終わりが見えるところまできました。私の歯の状態に会わせて治療プランがたてられているのでしょうか。初夏の頃に、歯磨き指導がありました。歯ぐきが弱っているからと、普段磨き残している部分の磨き方と歯間ブラシを勧められました。歯科衛生士さんが丁寧に教えてくださいました。歯間ブラシを使ってみると磨き残しが結構あることに気づかされます。3週間後、担当の歯科衛生士さんが細かく見てくださり、おっしゃいました。「ありがとうございます。とってもよくなっています。」その後に歯科医の先生も「よくなっていますよ。もう歯磨きしても出血はしないでしょう」と。本当にそうなんです。これまでは歯ぐきから出血することがよくあったのですが、これ以降一度もないのです。それにしても歯科衛生士さんの「ありがとうございます」にはびっくりしました。私が御礼を言わなければならないのにその前に言われたのです。私は思いました;これからもしっかりこの歯磨きを続けていこうと。治療が終わったときこの歯科衛生士さんに私の思いを伝えたいと。合掌


One Team 国籍を超えて

179号 感話:ありがとうの魔法  「スポーツは勝つことだけが目的ではない」といっても、勝つことはなんとすごいことなのだろうとラグビーW杯の日本活躍を見て思いました。私はまさににわかファンで、自分がこんなに一生懸命ラグビーを見るなど想像もできませんでした。ルールも満足に分からないのに、日本を応援するうちに次第に熱くなっている自分に気づきました。ルールというよりラグビーがどういうスポーツであるかが分かってきます。お相撲さんのような人もいれば、陸上選手のような俊足の人もいます。15人にそれぞれ役割があり、例えばかつての五郎丸さんや今回の田村選手のようにキッカーはいつも同じ人でスペシャリスト。
 チームスローガン「ONE TEAM」が話題になっています。「チームが一つになって戦う」ことはごく当たり前のことなのに敢えてスローガンにした意味が何かしら分かるような気がしています。まず外国人が多くいるのに驚きました。W杯は国対抗なのにこれでいいのか。リーチ・マイケルのように日本国籍まで取得した人はまだしも韓国出身の具智元(グ・ジオン)選手も日本代表になっています。ラグビーには独特の代表資格ルールがあり、国籍は必須条件にはなっていませんが、一度ある国の代表になると、その後は二度と別の国の代表にはなれません。これってすごいことです。具選手はもう韓国代表にはなれないのですから相当の覚悟が必要です。私は日本チームが勝ち進んでいくうちに外国人がたくさん混ざっていることに違和感がなくなり選手同士が勝利して歓喜している姿に心から拍手しています。選手があれほど死闘を繰り返しているのに「ノーサイド」のホイッスルが鳴るとお互いをたたえ合う姿にも感動しました。
 スポーツだけでなくさまざまな分野領域で国を超えて人の交流が広がっています。国と国が自国第一を掲げて摩擦を繰り返していることがなんとも愚かに見てきました。


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