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173号 感話:仏に成りたい心を恵まれる [ 平成31年5月2日 ]

平成から令和へ

173号 感話:仏に成りたい心を恵まれる  平成の30年が終わり、令和が始まります。元号に対する愛着は特別で、自分の人生を振り返るとき、思い出は元号つきでよみがえってきます。昭和39年は、新潟地震、新潟国体、そして東京オリンピックでした。平成16年は中越地震が鮮烈で私が長岡に戻ってきた年でもありました。
 平成の30年間をさまざまに振り返る機会となりました。災害が多かったことで切ない思いをした人もたくさんおられましたが、その分人の優しさも感じました。天皇皇后両陛下はその象徴的な存在でした。
 令和はどんな時代になるのでしょうか。高齢者の割合がますます高くなり、私はその構成員のまっただ中を進むことになりますが、若い世代が活躍できるような社会になったらいいと思います。
 連休には孫達を迎えに行ってこちらで過ごします。まだイヤだといわず来てくれることが嬉しいです。


お取越し報恩講の御礼

173号 感話:仏に成りたい心を恵まれる  託念寺のお取越しは花の時期と重なります。冬囲いも外され、境内地もきれいにしていただいて迎えることができました。大勢の方々のご参拝に感謝申し上げます。
 真敷祐孝さん(雲外寺ご住職)のご法話は心にのこりました。私たちが、世代を超えて長い間仏法を聞かせていただいて知らぬ間に共通な感じ方となっているもの、人間の生き方として大切にしているものを身近なことからお話しくださいました。そのひとつに「ドラえもん・のびたの結婚前夜」の物語がありました。私は、そもそも「ドラえもん」の映画、テレビ番組を夢中になって見たりしたことはないので、大山のぶ代さんの声を通して、ドラえもんを知っているくらいです。でも歌は知っています。それだけ国民に浸透し、愛されていたのですね。「こんなこといいな できたらいいな あんなゆめ こんなゆめ いっぱいあるけど・・・・」  
 本題に戻ります。のび太君はしずかちゃんが大好きでいつかは結婚したいと思っていますが、今ひとつ自分に自信がなくて、本当に結婚できるだろうかと心配になり、あるときドラえもんに相談します。するとドラえもんはタイムマシンを使って未来の世界にのび太君を連れて行きます。ドラえもんも少し間が抜けているところがあり、結婚式当日ではなく、一日早い前日に到着してしまいました。


173号 感話:仏に成りたい心を恵まれる  しずかちゃんとお父さんが話しをしています。前日になって、本当にのび太君でいいのかなと不安を示したしずかちゃんに「のび太君を選んだ君の判断は正しかったと思うよ。あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それが一番大事なことなんだからね。」と励ましたのです。
 ドラえもんの作者(藤子・F・不二雄)は、しずかちゃんのお父さんを通して、理想としての人間像を語ったのです。このことばに私たちは大いに共感を覚えます。それゆえに多くのファンを持ち続けているのだと思います。と、そんなお話しをされました。
 保育園の職員会議でこの話しをすると数人の職員が、タイトルを覚えていて、お父さんのことばもおぼえていると嬉しそうに答えてくれました。坊守はツタヤに行ってこのDVDが貸し出し可能であることを調べてくれました。5月最初の日曜法座でさっそく上映することにいたします。


感話 仏に成りたい心を恵まれる

173号 感話:仏に成りたい心を恵まれる 「み教えに学ぶ集い」で前ご門主さまのご著書「いまを生かされて」を味わっています。4月は私が担当でした。担当になると一生懸命準備をします。これがとっても有り難く、何度も読み、関連のことを調べたりする機会となります。また、学習会で参加者からお話しを聞くことでまた深まることになります。
 「私たちはお釈迦様、阿弥陀様のお慈悲によって、仏に成りたいという心が恵まれ、お慈悲に出遇って仏のご恩に報いる日々を歩み始めることができる。」
 仏法を聞くことは、仏に成りたいこころ(菩提心)が恵まれていくのだと、妙にうなずかされました。前ご門主さまは「義経千本桜」の歌舞伎演目を例に出され、源平の骨肉の怨み合いを終わらせた仏の智慧を説かれています。私たちはひどい仕打ちを受けたとき、その怨みの感情は簡単には収まりません。スリランカの教会・ホテル連続爆破テロは、ニュージーランドにおけるイスラム礼拝施設での銃乱射事件の報復かもしれないと報じられています。真相は分かりませんが、どちらの事件でも被害を受けた人の怒りや憎しみがさらに大きくなっていくことに不安を覚えます。
 このような大きな組織によるテロだけでなく、私たちの身近に起きる犯罪や事故でも加害者への怨みのこころは同じことです。再び前ご門主様のことばです; 日本では、罪を犯した加害者の処罰を重くする傾向にあります。被害者の収まらない感情、それを支持する世論が加害者を社会から隔離し、社会復帰を認めない力としてはたらいているのではないでしょうか。犯罪者を悪として切り捨てる力に抗して、被害者の悔しさや怒りを受けとめ、加害者を犯罪から更生させることのできる社会をめざすことが信心の智慧という場を与えられたものの務めだと思います。


この世において、いかなるときも、
多くの怨みは怨みによっては、
決してやむことがない。
怨みを捨ててこそやむ、
これは永遠の真理(法)である。
ブッダのことば(法句経)


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