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172号 感話:不完全さに気づく 共に生きる智慧 [ 平成31年4月2日 ]

新元号は「令和」 平成最後のてらだより

 さくら開花のたよりが聞こえてきます。今年は暖冬でしたから長岡でも早くなるのでしょう。お取越しの頃は散っているかも知れません。4月は託念寺にとって一年で一番大きな行事であるお取越し報恩講があります。親鸞様の御命日は1月16日で、本願寺では1月9日から16日まで御正忌報恩講が勤まりますが、個々の寺院では本山の日程を繰り上げて(取り越して)お勤めいたします。託念寺が所属している元上組では18か寺がそれぞれにお取越しの日を定めて、組内のお坊さん(法中(ほっちゅう)といいます)が大勢揃ってお内陣に出勤いたします。境内には五色の幕が張られ、吹き流しが立てられて、いかにも縁日の風景になります。お誘いあわせてどうぞお参り下さい。


法中座敷修復リフォーム工事のお知らせ

上記お取越しの際に出勤されるご法中の接待室(本堂の南側に接続して庫裡では一番奥の部屋)が昨年末から数カ所雨漏りするようになり、その修復工事を4月からすることになりました。これまでのコンクリート屋上に屋根をつけ、部屋の内装もリフォームします。このため今年のお取越しは元上組ご法中の内陣出勤ができなくなりました。すこし荘厳さに欠けるかも知れませんがしっかり勤めたいと思います。また、工事は盆参までには終える予定になっています。どうぞご協力をお願いいたします。


元上組念仏奉仕の旅

172号 感話:不完全さに気づく 共に生きる智慧  元上組9か寺から47名で本山念仏奉仕に行って参りました。元上組団体参拝としては9回目になりますが、専如ご門主様になられて2回目の念仏奉仕でした。記念写真ではご門主様の隣に座らせていただいて緊張とともに近しさも感じました。ご参加の皆さんは男女ともに作業着でご奉仕姿です。この日は春季彼岸会の初日でご法要にもあわさせていただきました。


172号 感話:不完全さに気づく 共に生きる智慧  念仏奉仕のあと、蓮如上人のご廟所がある山科(やましな)別院を訪れ、渡邉信ご輪番様ご夫妻にあたたかく出迎えていただきました。昨年の台風21号による被災状況等もご説明いただきました。ご輪番様は中越地震の大変な時期に新潟別院におられたこともあり、さまざまな思い出も共有させてもらっていますので再会はとても嬉しいことでした。
 お天気に恵まれ寒さを感じることなく3日間を過ごすことができました。バスの中でおひとり一人が参拝の感想をお話しされましたが、「家族が快く出してくれたので感謝です。帰ったら最低10人の人に参拝の感激を伝えようと思います」の発言に共感いたしました。2年がかりで周到に準備された幹事の方々に感謝です。多くのおかげさまを感じた旅でした。


感話 不完全さに気づく 共に生きる智慧

172号 感話:不完全さに気づく 共に生きる智慧  恵以真会主催の春彼岸家族礼拝では、大勢の方々にお参りいただきました。堤貞子先生による「笑いヨガ」のエクササイズはよかったです。身体を動かしたり、腹から「あはは」と声を出して笑うと自然に元気になります。写真からもいい表情が沢山見えます。先生のパーフォーマンスを真似て同じ動作をするとなぜか気持ちがいいです。一緒にいる、同じことをしているというだけで嬉しくなります。堤先生ありがとうございました。


172号 感話:不完全さに気づく 共に生きる智慧 3月はお別れの季節、そして巣立っていく姿をまぶしく送る季節でもありました。家族礼拝の日、高校を卒業するかつての保育園児が4人集まってくれました。そして翌日、小学校の卒業式を終えて、真新しい中学校の制服を着た6年生が保護者の方と一緒に阿弥陀さまに卒業の報告をしてくれました。これから中学校に入る、大学や専門学校に進む、どちらも大きな環境の変化が待ち受けています。私は自分のことを振り返って、辛かったことばかりが思い出されました。中学校は入学早々に忘れ物ばかりして叱られ、学校に行くのが怖くなりました。大学のときは寮に入って初(しょ)っぱなの歓迎会でお酒が飲めず、先輩たちの「イッキ、イッキ」のかけ声にうつむいているばかりでした。次第になれてはいくのですが、いつのときも新しい環境に馴染むまでに時間がかかるのだと自身のことを学習しました。成長とは、どぎまぎしながら、ある時は落ち込みながら、不完全な自分を知っていく旅でもあります。
 この時期に素敵なことばに出会いました。結婚式のはなむけのことばとして贈られたのだそうです;
「結婚してうまくやっていくためには、自分自身の不完全さに気づくことから始めなければならない。結婚は、似ている者同士が仲良く暮らすというイメージがありますが、現実は、似ていない者同士が、似ていない部分を突き合わせて、なんとかうまくやっていこうともがいていると言った方がいい。園の子どもたちにも簡単に『仲良くね』などというけれど、意見の違う相手と仲良く遊ぶのは途方もなく難しいのです。」(武田修子「ないおん」平成31年1月号)
 新しい環境は新たな人間関係の始まりでもあります。友だちであれ、先生であれ、異性であれ、簡単に自分のことを分かってもらえる訳ではありません。共に分かり合おうとすることがその一歩です。合掌

写真は念仏奉仕団での飛雲閣(工事中)


イメージ:ボタン

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