171号 感話:「和顔愛語」の生き方をめざして [ 平成31年3月1日 ]
雪のない田んぼ
春が例年よりも早く訪れました。「今年は雪かきをしなくて助かりましたね」「でも運動不足になりました」「雪が少なくて長岡市営スキー場は数日の営業にとどまったそうです」等々。そんな会話が交わされています。3月になると、卒業、お別れ、門出などの話題も聞かれます。定年というのもありますね。
保育園の年長さんからメッセージカードをもらいました。髪がふさふさしている美少年(きっと私の姿)の絵に「りじちょうせんせい おみどうでいつもおはなししてくれて ありがとうございました だいすきだよ」とことばが添えられていました。うれしいですね。年長児のクラスは33人の大人数です。何度聞いても名前が覚えられません。昨日はお昼の給食を一緒に頂いて、一人ひとりの席を回り、名前を聞きながら、間違わないようにメッセージカードの裏に書き留めました。そんな折にも子どもたちがたくさん話しかけてくれます。みんな素直だと思います。いい子だなと思います。あともう少しで卒園です。成長した子どもたちに「ありがとう ありがとう」でした。
御礼(当院:鷲尾顕一)
先月号でお知らせした白根での写真展ですが、お陰さまでもうじき終えるところです。遠方での開催にもかかわらずたくさんの方々に足を運んでいただき嬉しく思います。お褒め、励ましのお言葉もいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
写真は雪のない田んぼ(2月25日)
子どもたちの笑顔のために募金
本願寺派では、貧困の克服に向け、社会の中で特に弱い立場にある子どもたちを支援し、その笑顔が広がるよう「子どもたちの笑顔のために募金」を開設いたしました。国内外の子どもたちを育むための活動を支援するものです。本願寺から届けられた募金箱を本堂に設置してあります。どうぞご協力ください。
お知らせ:前川福寿会公開講座
3月3日(日) 13:30〜14:30 会場:前島町集落センター
演題: 「和顔愛語」という生き方をめざして 講師:鷲尾純一
日曜法座はお休みにしますので、どうぞお越しください
写真は本願寺正面御拝口に掲示されている「和顔愛語」
感話:「和顔愛語」の生き方をめざして
私がもうじき公開講座で話さなければならないテーマです。右の写真は今ベストセラーになっている樹木希林さんのことば集「一切なりゆき」(文春新書2018刊)に載せられている素敵な笑顔です。「東京タワー オカンとボクと 時々、オトン」という2007年公開の映画について樹木希林さんが語っています。映画の撮影が始まる前に宣伝のためにわざわざ映画の舞台になる宮城県の炭鉱跡地まで出向いて撮った写真だという。出来上がったものを見たとき、自分だとは思えなかった。穏やかでいい顔で笑っていました。 普段自分はそんないい顔をしていないの知っていますから、ああこれはオカンの顔施(がんせ)だなと思ったんです。
映画の中のオカンを演じている希林さんは自分と境遇が似ている役を与えられたと思ったけれど、オカンは自分にはない愛情深さと謙虚さを持っていて、私とは全くといいほど似ていないというのです。この素敵な笑顔も希林さんの顔でありながらオカンからもらった施しと感じられました。「この顔を見たときに、フッと何かを感じるのであれば、人に何かを施したことになるのだろうと」この映画への覚悟ができたと語っています。この映画はきっとDVDになっているでしょう。是非とも見たいと思います。