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164号 感話:いのちを大切にするということ [ 平成30年7月31日 ]

暑中お見舞い申し上げます

「平成30年7月豪雨災害義援金」(本堂賽銭箱)
 ご協力をお願いいたします


盂蘭盆会法要(盆参) 8月1日(水) 11時より
 おつとめ:正信偈  法話:住職  お斎 (託念寺本堂)
 皆さんと一緒にお勤めいたしましょう。
お斎の夏野菜天ぷらは託念寺盆参の名物です。
ご家族連れでお参りください。


境内草取り

164号 感話:いのちを大切にするということ 7月21日(土)朝6時。恵以真会からお声かけをいただき境内の草取りが行われました。連日の猛暑で朝でも体を動かせばすぐに汗が噴き出てきます。そんな中、大勢の方々からご協力いただきました。おかげさまできれいになりました。
 悠然と泳ぐ大きな亀を前面に記念写真。なかなかの構図でしょう。草取りが終わって「そうだったんですね」と、納得でした。ありがとうございました。


井上円了さんはご存じですか

164号 感話:いのちを大切にするということ  「長岡出身の偉人としてもっと知って欲しい」との願いも込めて、百回忌法要をお勤めさせていただきました。終わったばかりの名古屋場所で優勝した御嶽海や、日本で初めて百メートル10秒の壁を破った桐生祥秀選手の出身大学東洋大学(哲学館)の創設者です。新潟親鸞学会が主催し、井上円了さんの生家がある浦慈光寺様で営まれました。明治の初め廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の大きな流れの中で東洋哲学の真理を明らかにして日本仏教界全体に元気を取り戻させた功績はとても大きいものでした。
 私にとっては、曾祖父第10代住職了凢との関わりにおいても興味深い人です。生まれは円了さんが2学年上で、命日は了凢さんが6日後でした。浦村と前島村は信濃川をはさんでとなり同士です。了凢さんも博多の万行寺まで行って明治の傑僧と言われた七里恒順先生(飯塚明鏡寺様出身)の元で勉強した人でしたから大きな刺激を受けた存在だったに違いありません。了凢さんの百回忌法要も今年11月28日(永代経報恩講)に勤めます。井上円了さん、了凢さんの生きた時代を偲びたいと思います。


感話 いのちを大切にするということ

 連れ合いが、保育園運動会の始まる直前に転倒して右手首を骨折してしまいました。そんな状況になって経験したり感じたりすることがたくさんありました。今、保育園は働く保護者の子育てを支える大切な役割を担っています。朝7時15分には子どもたちの登園が始まります。その日は金曜日でした。子どもの大きな泣き声が私どもの家にも聞こえてきます。園長室のカーテンあけに保育園に行くと、その男の子をお母さんが保育士さんにバトンタッチするところでした。2歳のA君はいつもはニコニコして私にも挨拶をしてくれるようになっていたのにその日は目もくれません。お母さんとまだ一緒にいたいのです。お母さんが時間を気にすればなおのこと大きな泣き声になります。こんな日はどんな思いで職場に向かわれたのでしょう。しばらくは心配になって仕方なかったことでしょう。その日は夕方迎えに来られたときにちょうどまたお会いしました。A君は、朝のことはまるで忘れたかのようにうれしそうな表情を見せてくれていました。私はホッとしたのですが、お母さんは、言うまでもありません。それまでの心配が吹き飛んでいたことでしょう。
 こんなことがなくても、保育士さんはいつもお家の方々の願いを感じているのだなと思いました。「保育園の一番大切なことは、子どもが安全に安心して過ごせることと、同時にお家の方が安心して預けられること」と園長が言っていることを改めて思いました。


 私たちは、「かけがえのないいのち」といいます。それは、「どのいのちもその代わりになるものはない」という意味です。「真宗の教えとまことの保育」(本願寺保育連盟発行)の中で丁野恵鏡(ようのえきょう)先生が「人間が生きていく上で大切なものが二つあります。その一つは道具であり、もうひとつはいのちである」とおっしゃっています。道具は、人間が有史以来積み重ねてきて生活を便利にしてきました。役立ち具合でその価値が測られます。他方「いのち」は、「役に立つかどうか」で価値が決まるのではありません。道具は代替できますが、いのちは代りがききません。私たちは「価値」というと、どんなものでもお金に換算して、その優劣や有用性を評価してしまっています。人間に対しても例外ではなく平然としています。しかし代替のきかないいのちは存在そのものが尊いのですよ。私たちがまことの保育で大切にしなければならないのは「かけがえのないいのち」なのです。お釈迦さまがお誕生の時に宣言された「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」すなわち「オンリーワンこそが尊い」という意味をいつも忘れないようにしていたいと思います。合掌


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