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159号 感話:大雪ととらこの七日間 [ 平成30年2月28日 ]

平昌(ピョンチャン)オリンピックが終わりました

159号 感話:大雪ととらこの七日間  今回は日本の選手が活躍してメダルも過去最高となり盛り上がりました。オリンピックでメダルを取ることでこれだけ多くの人を喜ばせることができるのですから、オリンピックの表彰台は特別なのですね。
 表彰台で見せる笑顔とインタビューであふれ出る涙は人を感動させます。笑顔と涙は人に恵まれた財産だと思います。笑顔が人をしあわせな気分にさせてくれ、涙はよろこびを共にさせてくれます。
 小平奈緒選手がライバルの韓国選手に寄り添った姿に、世界のメディアが称讃したと伝えられ、これもまた大きなニュースになりました。外交の世界で日韓関係がギクシャクしているのに、小平選手とイ・サンファ選手のお互いを思いやる友情が一挙に両国民の感情を和らげてくれました。
 両選手ともお互いを英語で「リスペクト:respect」し合う存在だと表現していました。最近、日本語の「敬う」はあまり使われなくなっていますが、海外で活躍するアスリートやアーティストはよく「リスペクト」を使います。「私はあなたをリスペクトしています」と直接相手を誉め称えたりします。浄土真宗の生活信条のことばが思い起こされました。「みほとけの恵みを喜び 互いに敬い助けあい 社会のために尽くします」の姿を小平奈緒選手とイ・サンファ選手に見せてもらいました。感謝。


ご門主さまといい笑顔

159号 感話:大雪ととらこの七日間 てらだより1月号でご紹介しましたが、元上組の誇るスコップ三味線5人娘が本願寺デビューを果たしました。ご門主さまの御前で堂々と熱演し、その後すかさず記念写真もばっちり。ご門主さまの脳裏にしばらくの間、いいえ、ずーっと、残ることでしょう。 2月17日 京都リーガロイヤルホテルにて。


159号 感話:大雪ととらこの七日間


感話 大雪ととらこの七日間

159号 感話:大雪ととらこの七日間  1月下旬から数年に一度の寒波が北越地方を覆いました。その大雪がピークになった日にとらこは静かに17年のいのちを終えました。7年前父が亡くなるとき、父は最後の仕事としていのちの終えていく姿を私たちに見せてくれました。とらこもまた精一杯のいのちを生ききってくれました。
 2月2日(金) 朝7時過ぎ顕一が京都の研修会から夜行バスで帰宅。すぐにとらこの様子を見に来る。午後、堀井動物病院受診。ずっと便が出ないことを告げる。点滴が始まるととらこがうめく。吉子がとらこに「ゴメンネ」と声を掛け、こらえられずに涙が流れる。浣腸で貯まっていたウンチを出してもらう。
 3日(土) 午前中は久しぶりの青空。傍らのとらこが愛おしい。午後、動物病院に行くことにしていたが、吉子は、もう可哀想な思いはさせたくないという。私が一人で堀井先生に受診しない旨を伝えた。吉子の思いを伝えたときは私も涙を抑えられなかった。堀井先生も肯かれる。「あと1週間くらいは頑張られます。水の補給を気をつけてください」と。覚悟がきまる。


159号 感話:大雪ととらこの七日間  5日(月) 朝からまた雪が降り始める。3人で役割分担してできるだけとらこを一人にしておかないことに。
 6日(火) 昨夜からの雪は60cm。ニュースで長岡131cmと報道。まだ蒲団に入っているとらこを写真に撮る。「いい顔」に満足。朝9時頃総代の佐藤芳夫さんが屋根の雪を心配して来てくださる。感謝。 とらこに顕一が水を飲ませる。スポイト4回分飲んだ。
 夕方、雪は小康状態。とらこを見ていると人との違いがなくなる。猫や犬を可愛がっている人は皆そんな気持ちになるのだろうか。静かに横になって目を開けている。最後まで家族を見ようとしている。穏やかだ。
 8日(木) 朝、20cmくらいの積雪。6時30分から除雪作業。時折すごい降りになり不安になる。とらこはまだ頑張っている。顔を上げるといつもの顔。
 午後屋根の雪おろしが始まった。3時15分、雪おろしが終了して家に戻る。吉子が「とらこが亡くなった」と。2時30分頃、台所に立っていて、とらこの鳴く声を聞いて傍らにかけつけた。「苦しむ様子はなく、腕の中で息を引き取った」と聞いて涙があふれた。顕一もほどなく来て、仏間に移動してくれた。吉子を呼び寄せていのちを終えたとらこに感謝。


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