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151号 感話: 人のために生き、人と共に生きる「一緒性」 [ 平成29年7月7日 ]

各地で大雨

151号 感話: 人のために生き、人と共に生きる「一緒性」  151号を書いたときはカラ梅雨の6月でした。それが一転して7月3日、4日には長岡でもかなり強い雨が降りました。そして昨日は福岡県朝倉市で豪雨の被害甚大と報じられました。以下がてらだより151号の本文です。

 6月の半ば過ぎに梅雨入りの発表がありましたが、今のところ雨の日は少ないです。1ヵ月を振り返えると、私の6月は痛みの朝から始まりました。1日早朝、右足親指に疼くような痛みで目が覚めました。歩こうとするとさらに痛く、患部は赤く腫れています。急ぎネットで調べてみると、痛風の典型的な症状であることが分かりました。私にとってはまさかのことでした。ビールのプリン体が悪いと聞いていましたが、そんなに飲めるわけではないし、自分には無縁のことと思っていました。どんな病気でもそうですが、思いもよらぬことが自分の身に降りかかりますね。その後は順調に回復と思っていましたが、ちょうど3週間後に同じ場所に同じ痛みで再び発症。よく言われることですが、病気も自分の身の内です。お医者様と相談しながら病気と同居していきたいと思います。


恵以真会研修旅行 大火災被災地を訪ねました。

151号 感話: 人のために生き、人と共に生きる「一緒性」  11日は恵以真会研修旅行で糸魚川市大規模火災の現場を訪れ、託念寺ゆかりの光照寺様に参拝いたしました。糸魚川の火災では、強風下の飛び火によりたちまち立ち入りできない状況に。何も持ち出せないまま我が家の燃えていくのを目の前にして、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった被災者のお気持ちを思うだけで切なくなりました。心ばかりの義援金をお届けいたしましたが、糸魚川市長のお名前でご丁寧なお礼状をいただきました。テレビでも被災から半年を経過した糸魚川の復興状況が報じられていましたが、私たちにできる支援を継続し、復興後の糸魚川を再び訪れたいと思いました。


初参式 大勢のご参加ありがとうございました。

151号 感話: 人のために生き、人と共に生きる「一緒性」  6月25日に恵以真会主催で初参式を開催いたしました。0歳から6歳まで25名の参加がありました。ご両親と恵以真会の役員さん等でお祝いいたしました。お子様と出会えた喜び、ご両親やご家族と出会えた不思議なご縁を確かめ合いました。お家の人にギュッと抱きしめてもらい「大好きだよ」と声掛けしてもらいました。きっと子どもさんを抱きしめながら、自分もお子様の温もりをもらって仕合わせな気持ちになられたことでしょう。
 集合写真です。みんないいお顔です。


初参式 のパネルシアター

151号 感話: 人のために生き、人と共に生きる「一緒性」  式と記念写真が終わって、最後のお楽しみは前川保育園の大勝舞先生によるパネルシアターでした。0歳のお子さんまで惹きつけられるプロの演し物。大人もみんな惹きつけられました。和やかな雰囲気で終わりました。ご参加の皆様ありがとうございました。


感話 人のために生き、人と共に生きる「一緒性」

151号 感話: 人のために生き、人と共に生きる「一緒性」  標題は、宗報5月号「理想の念仏者像を求めて」よりいただきました。
 「ひよっこ」という連ドラを楽しみに見ています。6月に入ってからの放送で感動したひとつの物語を思い出しながら紹介します。メモをとりながら3回見たのですが、それでも間違っているかも知れません。
 奥茨城村出身の主人公みね子は、トランジスターラジオ組み立ての会社に就職していました。寮生活ではよい仲間に恵まれて喜んでいましたが、1年もしないうちに会社が倒産します。寮の友だちが次々に再就職先が決まり、別れていきました。みね子は失踪した父のことをよく知っている洋食屋さんに使ってもらえることになりました。そこで出会った人たちと次第に心を通わせることができるようになり、きつい仕事の中でもよろこびが感じられる毎日を過ごしていました。
 仕事に慣れたある日、心ひそかに「まだお店のお皿は一度も割っていない」とささやかな誇りにしていました。そんなことを思ったそのとき、ついにお皿を割ってしまいました。当然のこと、みね子は落ち込んでしまいました。みね子は正直者ですから、こころのうちが外からも見えてしまいます。お昼時の忙しさが一段落してスタッフの休憩時間になりました。料理長の省吾さんは、みね子の落ち込んでいる姿が気になって、自分のことばと振る舞いが何か原因になっていないか。お客さんが混んで忙しい時つい「早く持っていけぇ」とか乱暴なことばになってしまう。「オレ、何か怒ってしまったか」と尋ねます。首を振るみね子のことばから、自分が原因ではなかったことで安心するのですが、省吾は父親の思い出と戦争中の体験からお店で心がけていることを語り始めます。
 オヤジさんがこのお店を始めたのだけれど、怒らない人だった。自分がヘマをして失敗しても決して怒らない人だった。自分も将来はお店を継ごうと思い、大きなレストランで修行を積ませてもらった。大きなレストランだから、お客さんが食べているところと厨房は離れていて、厨房の様子はお客さんのいるフロアには届かない。それをいいことに、厨房の中では上のものが下のものを怒鳴りつけたり、殴ったりした。そんな様子を何度も見た。厨房の中でそんなふうにいがみ合って料理を作ってもウマイもんが作れるはずがない。自分がお店を持ったときには絶対にそんなことはないようにしたいと心に誓ったんだよ。
 それから自分は軍隊も経験した。軍隊は規律が厳しい。団体で行動しないといけない、そんな中にのろくて要領よく動けない隊員がいた。その男が団体行動を乱すたびに先輩から何度も殴られていた。自分はそれを見るのが辛かった。だけどもっと悲しかったのは、そのいじめられて殴られてばかりいた男が、自分より下のものが入ってきて、自分と同じようにヘマをしたときに、自分がされたように殴ったり怒鳴ったりしたことだった。痛みが一番分かっているはずなのにどうしてこんな事になるんだと悲しくなった。
 でも人間はね、やられっぱなしでは生きていけないんだ。そういうものなんだ。無理もないことだとも思った。でもだからこそ余計悲しかった。戦争が終わったとき、もうこんなことを見なくてもいいんだと、それが嬉しかった。
 みね子は省吾の話しを聞いて「私はいい職場で、いい人たちに恵まれている」と嬉しくなったのでした。
 物語はすごいなと思いました。私たちはたくさんの物語を聞いて大きくなります。子どもたちは子どもたちなりにこんな人間になろう。なりたいと思います。でも一方で現実はそんなきれい事だけではなくて、身勝手で、うらやんだり、恨んだり、怒りが収まらなかったりします。不条理な現実にさらされたりします。だからこそ「こころから」まじめに誠実に生きたいと思うようになるのではないでしょうか。
 ご門主さまは伝灯奉告法要御満座のご消息で「仏さまのような執われのない完全に清らかな行いはできなくても、それぞれの場で念仏者の生き方を目指し、精一杯努めさせていただくことが大切です。」と述べられています。合掌


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