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146号 感話:自信教人信(じしんきょうにんしん) [ 平成29年2月10日 ]

春待ちの候

146号 感話:自信教人信(じしんきょうにんしん)  今年の正月は雪が殆どなく外回りするにはありがたい状況でしたが、1月14日朝の雪景色はこれぞ雪国でした。土曜保育の登園前にと駐車場の雪かきに奮闘しました。ニュースで長岡の積雪は78cmと報じていました。この日は大学入試センター試験の1日目。受験生のご家族は、試験会場に間に合っただろうか、普段どおりの力が発揮できただろうかと、心配の一日を過ごされたのではないでしょうか。豪雪地帯として知られる長野県栄村では寺の住職が雪の重みで折れた松の木にあたり亡くなったと報じられました。屋根の雪下ろし作業中に落下した事故もいくつか報じられました。


146号 感話:自信教人信(じしんきょうにんしん)  他人事ではありません。託念寺の参道入口に立つ一本松をご存じでしょうか。鐘楼の後ろにすっくと立ち託念寺境内の景色を演出してくれていて大好きな松の木です。大雪が一段落した翌朝、門柱の前に折れて落下したと思われる長さ1m半ほどの枝が見つかりました。あたりには松ぼっくりが散乱していました。雪の重みに耐えられなくなったのでしょう。ひとにも車にも建物にも当たらずホッとしましたが、事故が起きないよう対策を立てねばなりません。樹齢がどれくらいになるのか分かりません。私が子どもの頃昭和30年代には今とさほど違わない背丈があったようにも思います。数年前には隣りにあった欅を同じ理由で伐採しているので寂しいのですが、安全を優先したいと思います。
 大雪に関連してもうひとつ。小正月(1月15日)の伝統行事サイノカミが何年かぶりに15日に行われました。前川四町内が同じ日になりました。町内の子どもから大人まで大勢の人たちの協力で朝から作業が進められます。前日の大雪が収まりしっかりと踏み固められた新雪の上に立派なサイノカミが作られました。前島のサイノカミが点火されるとき夜空は星が輝き、大歓声の中、勢いよく燃え上がりました。火に照らされて見える笑顔に新年の挨拶を交わし、お互いの仕合わせを願い合います。佳境にさしかかったところでミカン撒きです。私も夢中になってミカン拾いに興じました。なかなか拾えない私にそっとミカンをくださる方も。この日のために準備され寒い中で作業された方々へ感謝。


託念寺門徒総代の選任について

 1月24日に門徒総代と責任役員の任期が満了になり新たに選任させていただきました。責役総代は佐藤芳夫さん(上前島町)、総代は吉原松雄さん(前島町)と堀井哲弥さん(前島町)です。堀井哲弥さんはこれまで世話方のお一人としてご尽力いただいていましたが、これからは若い世代とのつなぎ役として門徒総代をお願いいたしました。
 託念寺は、本願寺(西本願寺)を本山とする浄土真宗本願寺派に属する宗教法人です。宗教法人には寺院規則があり、託念寺では総代が3名、任期4年と定められています。また、責任役員は代表(住職)と寺族代表1名、門徒代表1名の3名からなっています。住職以外の責任役員は住職が申請し、その届出により本願寺派総長から任命を受けることになっています。託念寺は寺族代表として坊守、門徒代表として吉原勉さんが務めてくださっていました。寺族代表はこれまで通りですが、門徒代表は佐藤芳夫さんにお願いすることになりました。吉原勉さんには本当に永い間託念寺の重責を担っていただきました。この紙面をお借りして、心より御礼申し上げます。また、佐藤芳夫さんはじめお三方の総代さんには託念寺の護持、お法りの繁盛のためご支援いただけますようお願い申し上げます。


感話 自信教人信(じしんきょうにんしん)

146号 感話:自信教人信(じしんきょうにんしん)  昨年10月より新ご門主さまの伝灯奉告法要が始まっています。元上組では3月14日、170名の団体参拝が予定されています。託念寺からも16名が参拝いたします。
 専如ご門主さまは、平成26年6月に法統継承されその後全国の別院をご巡拝されました。新潟別院には昨年5月にお見えになり交流されました。一緒の写真に収まったり直接のお言葉をいただいたりするとご門主さまが身近な存在に感じられてきます。これまでのお振る舞いからも崇高な存在というより、私たちと共に歩むご門主さま像を望まれているように思われます。
 今、本堂にご門主さまのお写真とご染筆「自信教人信(じしんきょうにんしん)」を飾らせていただいています。「自信教人信」とは、「自ら信じ、教えて人を信ぜしむ」と読みますが、善導大師のお言葉として法統継承の折にご紹介されています。恵信尼さまのお手紙にも親鸞聖人が高熱で寝込まれ夢の中で浄土三部経を千部読誦(どくじゅ)しようとされたエピソードの中で発せられたことばとして伝えられています。


146号 感話:自信教人信(じしんきょうにんしん)  親鸞聖人にとっての「自信」とはどんなことだったのでしょうか。ひとつには、人がいかに自己中心的なものであるか、この身勝手な自分の有り様を煩悩とか無明(むみょう)と呼び、これはどんなに修行してもなくならないし消えないものだと気づかされることでした。これを「悲しきかな」と嘆かれました;
「悲しきかな愚禿(ぐとく)鸞、愛欲の広海に沈没(ちんもつ)し、名利(みょうり)の太山(たいせん)に迷惑して、定聚(じょうじゅ)の数(かず)に入(い)ることを喜ばず、真証の証(さとり)に近づくことを快(たの)しまざることを、恥づべし傷むべしと」(教行信証)。
 もうひとつは、それ故にこそ阿弥陀さまが自分のためにはたらいてくださると気づかされることでした。そして「弥陀の五劫思惟(ごこうしゆい)の願をよくよく案ずれば、ひとえに親鸞一人(いちにん)がためなりけり」(歎異抄後序)と慶(よろこ)ばれました。
 私たちはみ教えに出遇うことによって、自らの愚かさに気づかされます。またお浄土の世界を示されることで、私たちの進むべき道が明らかにされます。お浄土の蓮の花は「青い花は青い光を、黄色い花は黄色い光を、赤い花は赤い光を、白い花は白い光を放ち、それぞれが微かな清らかな香りをただよわせている」と表現されています。「我こそは」「自国こそは」と主張することを控え、一人一人が一つ一つの国々がそれぞれに輝けるような世界をめざすこと、それが親鸞さまが多くの人に伝えたいと願われたことではなかったでしょうか。合掌


写真:前川保育園片桐さんが今春卒園するさくら組41人のためにひとつずつ雪だるまを作って下さいました。子どもたちは自分の雪だるまをどんなにか喜んだことでしょう。


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