136号 感話:贈る言葉 「共に」 [ 平成28年4月5日 ]
モンゴルの風、さわやかに
はじめて聞く馬頭琴(ばとうきん)の音色とデルゲルマーさんの演奏に魅了されました。馬頭琴は二つの弦で弾くのですが、音域が広く西洋音楽でも日本の曲でも情感豊かに歌を奏でることができる優れた楽器です。ご主人の相田憲克さんによりモンゴルのこと、馬頭琴のことを写真も交えてご説明いただいてモンゴルがとっても身近に感じられました。
余韻に浸りながらお願いしたアンコールは圧巻でした。「恩徳讃」が静かに流れはじめ、満堂の中で歌声が響きわたりました。「感激して涙が出てきた」と感想を語ってくださった方もおりました。
モンゴルでは寺院でご法話を聞いてから、馬頭琴のコンサートが開かれることもよくあるとのこと、デルゲルマーさんも御堂ライブを喜んでおられました。そんなご感想に甘えて、7月開催の「元上組さわやか講話会」でもお願いすることにいたしました。今度は会場を専徳寺様に移し、子どもや若者にも呼びかけてテーマを企画いたします。どうぞ楽しみにして下さい。
お取越報恩講(前住職7回忌法要併修)
19日(火)午前10時30分〜
お勤め:お正信偈ご和讃六首引
法話:布教使 真敷祐弘さん(本願寺布教使)
お斎
親鸞様の御遺徳を偲び、前住在りし日の思い出を語ってください。
なお、法要として特別なことはいたしません。いつものお取越しのようにお参り下さい。
6年前の9月26日、元上組親鸞聖人750回大遠忌お待ち受け法要が明鏡寺様で執り行われ、真敷祐弘先生に記念法話をいただきました。そして法要を見届けるようにいのちを終えました。
感話:贈る言葉 「共に」
3月は卒業や別れ、4月は入学や新しい出遇いがあります。子育て世代にとっては子どもたちの成長を感じるときでもあります。私どもの保育園でも卒園式がありました。いつも感動します。子どもたちが精一杯頑張って大きくなった姿を親御さんと、私たちに見せてくれるのです。卒園式の最後に担任の先生に花束をもらい「ありがとうございました」と頭を下げます。そのまま保護者席に向かって歩き、お母さん、お父さんに向かってもう一度「ありがとうございました」といいます。私は涙をこらえるお母さんの姿に目頭が熱くなります。
こうして小学校へと巣立っていった子どもたちが、6年経ってまた立派な姿を見せに来てくれました。少し大きめの中学校の制服が初々しく感じられます。保育園を卒園するときはお御堂で卒園報告をしました。そして今度は卒業報告です。みんなで「しんじんのうた」をおつとめし、ひとり一人順番にお焼香もしてもらいました。大人の所作を身につける最初の一歩として。
私は次の言葉を贈りました;
小学校卒業おめでとうございます。ようこそお御堂にお参りくださいました。今日お参りしてくださったのは、ここまで成長させてもらったことへ感謝を表すためだったのだと思います。「仏さま、ありがとうございました」と、みなさんひとり一人がこころの中で思われたことでしょう。
人は一人では生きていけません。ここまで大きくなったのも多くの方々の支えがあってのことです。とりわけご両親はじめご家族はみなさんの成長をどんなときにでも心から支えてこられたことでしょう。
でもみなさんが全面的に一方的に支えられていた訳ではありません。みなさんの成長を心から喜んでくださったのもご両親です。私たちはどんなときでも「共に」喜んでくれる人、悲しんでくれる人がいて生きられるのです。みなさんの喜びがご家族の喜びになります。みなさんが辛いとき、ご家族もその心は一緒なのです。これからはこれまで以上にいろんなことを自分で頑張らなければなりません。そんなときも「ひとりではないんだ」と思ってください。仏さまはそのことを私たちに教えてくださっています。仏さまもいつでもどこでも「共に」いてくださっています。
どうぞこれからもお御堂にいらしてください。辛いときも 悲しいときも 嬉しいときも。 合掌
第20回 家族礼拝
100名を超える方々が馬頭琴演奏を楽しみました。
恵以真会の新会長古塩正則さんのご挨拶に始まり、演奏会に先だって「しんじんのうた」をおつとめいたしました。ここでも前川小学校の6年生が最前列で調声役を務めてくれました。
演奏会が終わって、デルゲルマーさん相田さんご夫妻を囲んで集合写真をとりました。