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133号 感話:1冊の本 [ 平成28年1月4日 ]

謹賀新年

133号 感話:1冊の本
暮れに六十五歳になりました
「高齢者」の仲間入りですが、いただいたいのちを大切にしたいと思います
平成二十八年元旦
託念寺住職 鷲尾純一



写真:関ハナさん(摂田屋町)の作品です。齢90歳、今年もいただきました。妹フミさんは満州で亡くなられました(感話に関連記事)。


暮れに思うこと

133号 感話:1冊の本  年の暮れ、一年を振り返ると、思いもよらぬ事がいくつも起きたと気づかされます。いのちはいただいたときから終わりがあることが定められています。永からんと願う気持ちは誰にもありますが、無常の風が吹けば、朝にはいつもと変わらぬ笑顔を見せて出かけたあの人が、夕べには帰らぬ人になってしまう。喪中はがきをいただいて、蓮如上人のお言葉をかみしめています。
 「日に日に思い出が深くなります。 しかし 毎日 お経に助けられております」
 「(5月に亡くなって)まだ納骨ができず、月命日には住職さんに読経をお願いしながら、縁あって伴侶となった夫との一期一会を今しばらく、仏壇の前で大切に感じていこうと思っています」
 11月の永代経報恩講で専徳寺ご当院様より、託念寺前々住職の遺稿法話集から「念仏」と題する一文をご紹介いただきました;
お念仏と申したら、南無阿弥陀仏、というでしょう。それに違いない。でもお念仏は、仏をおもうと書くのです。お釈迦様を思う、ということから始まったらしい。お釈迦様はどんなお顔をしておられた、どんな心もちの方であった、どんなことをなされたかたであったなど、こころの内にその人柄を思いめぐらす。それが念仏の始まりだったと。
私たちが仏にさせていただくことは、阿弥陀さまの誓願不思議であります。お仏壇の前で手を合わせてお念仏し、読経することで心が落ち着いてきます。

写真:前々住職 釈顕昭 60代の写真


新年を迎えて

133号 感話:1冊の本  お知らせいたします。このたび宮内地区の世話方として宮原の平澤正雄さん、曲新町の古塩一郎さんにご就任いただきました。これまで勤めていただいた小林秋雄さんが11月にお亡くなりになり、その後任です。小林さんには宮内地区の取りまとめ役として長い間本当にお世話になりました。秋の盆栽コスモスも楽しませていただきました。心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 年始にお届けする法語カレンダーの表紙に、私たち託念寺にとって最もなじみのあるお勤め「しんじんのうた」のことばが載っています。12月まで続きます。日曜法座では「法語を味わう」を月に一度設定しているので楽しみです。以前、恵以真会で「しんじんのうた」勉強会を行っていました。今度は日曜法座で大いに味わっていきたいです。恵以真会の方々もお参りください。
 参道の前に行事・法座案内掲示板があります。永年前島町の平沢三春さんにお願いしておりましたが、ご高齢を理由に継続が困難である旨伝えられました。30有余年の間ありがとうございました。心より感謝申し上げます。
 5月からは青山町の堀井慶恵子さんにご依頼申し上げ、快くお引き受けいただきました。多くの方の目にとまるところです。きれいな書体で見とれてしまいます。


133号 感話:1冊の本  「前川のあゆみ」が完成してホッとしています。本当にできるのだろうかと心配された方も多いでしょう。私たちもそう思ったくらいです。6月に「長岡市民活動推進事業補助金」の申請を行い、幸いにも交付が受けられることになりました。それは刊行の期限を自ら決めることでもありましたから、優先順位を上げて取り組まなければならなくなりました。一つの目標に向かって活動をすることは楽しいことです。本ができるという目標はできあがったときの達成感を想像してもワクワクすることでした。それにしても6年間かけて積み重ねた資料は多岐にわたりひとつひとつが貴重なものでした。時代を追って時系列的に目次を構成するのではなくトピックス毎に章立てを行っています。


133号 感話:1冊の本 出版後寄せられた感想を紹介します;
 「私は、身近なところとして、太平洋戦争時代の前川から読ませていただきました。 当時のことが克明に書かれていて、その当時学徒動員で名古屋に行っていた私にとってもひとごとではありません。」
青山町の佐藤キヤさんは、満州での勤労奉仕の果てに体験された帰国までの苦難を語ってくださっています(本書第9章「戦争と震災」)。キヤさんは、終戦の1ヵ月前に満州に渡られているのです。今から見れば、敗戦濃厚と思われている時期に何故と思います。本紙に掲載した「サル」の木目込み人形を作成された関さんの妹フミさんはキヤさんと一緒に満州に行かれ、帰国を果たせぬまま病気になって亡くなられています。
 取材した岸和義さんは、「まるで映画でも見るような想像を絶する体験である。民間人にも多大な辛苦を与え、その責任は国もとらないのが戦争である」と結んでいます。 合掌


133号 感話:1冊の本 感想が寄せられています;
◎夜中まで読み続けた。昔話に出ている吉原七郎は私の祖父で懐かしい(60代女性静岡)
◎中越大震災の取り組み内容に驚いた。自主的に動いていることを見習わなければならない。地域外にも発信すべきものだ(宮栄70代男性)
◎住んではいるが地域の歴史が分からなかった。子どもとともに読みたい(青山新町女性)


イメージ:ボタン

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