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132号 感話:フランス同時多発テロに思う事 [ 平成27年12月7日 ]

境内冬囲い

132号 感話:フランス同時多発テロに思う事  11月8日 朝から雨模様
 恵以真会主催の冬囲いが行われました。雨模様でしたが、途中であがり、気温はそれほど低くなくて助かりました。OBの協力も得て無事に終わりました。
 夕方からは恵以真会の忘年会。今年の活動を振り返り楽しい時間を過ごしました。


親鸞聖人顕彰碑建立30周年ならびに建立物故者追悼法要

132号 感話:フランス同時多発テロに思う事 11月13日、小春日和とはこんな天気のことを言うのでしょう。親鸞さまのお像の前で保育園さくら組の園児も参加して法要をお勤めいたしました。以下法要の表白より;
 親鸞さまは建立以来三十年もの間、雨の日も大雪の中でもそして中越地震のときも、私たちを見まもり続けてくださいました。今や託念寺にとって、前川保育園にとって、心の拠り所になっています。親鸞さまのお像建立にご尽力いただいた方々に、心より感謝申し上げます。またこの間に七名の方々がご往生され、親鸞さまと共に私たちに寄り添う仏さまとなられました。このうえは、阿弥陀如来のお慈悲と智慧の光に護られ、ひとりひとりが、いただいたいのちを精一杯輝かせられるよう、精進いたします。
 子どもたちの「ナモアミダブツ」の声と「あみださま」の歌が境内に響きわたりました。


132号 感話:フランス同時多発テロに思う事


132号 感話:フランス同時多発テロに思う事


感話 フランス同時多発テロに思う事 当院 鷲尾顕一

 またしても悲惨なテロ事件が起きてしまいました。フランスの同時多発テロです。一夜にして130人余りの罪のない人々が殺されました。この事件に対して東京タワーやスカイツリー、エジプトのピラミッドやオーストラリアのオペラハウスなどがフランス国旗の3色にライトアップされました。またフェイスブックユーザーも自分のページをフランス国旗の色にアレンジするという事が多く見られました。その理由は、亡くなったフランス人に対する哀悼であり、パリに対する祈りであったと思います。
 ですが、即座に別の反応もありました。シリアで空爆されて死んでいった無実の人々はどう捉えるべきなのかという事です。フランスはこのテロ以前から有志連合のひとつとしてISを標的に空爆をしています。軍事施設の破壊に成功したという報道は耳にしますが、多数の一般市民が空爆に巻き込まれ命を落としていることはほとんど報道されていません。国境なき医師団の施設が誤爆されたことでわかるように、軍事施設だけを攻撃することなどできないのです。
 突然罪のない人々の命が奪われるという点において、テロも空爆も同等であるべきだという主張は、真っ当なものに思えます。報道には偏りがあり、それが命の重さまでも左右してしまっているのです。この争いがどのように展開していくのか想像もできないし、今のままの『やられたらやり返す』姿勢では、血で血を洗う負の連鎖が終わることはないでしょう。そしてその恨みを利用して私腹を肥やす人々が、この裏でうごめいている事も忘れてはならないことです。


 ダライラマ14世は、「許すとはどういうことですか?許すための第一歩とはどんなことですか?」という質問にこう答えています;
【「忘れる」と「許す」は似ているようで違います。相手の間違いや不快な行為で嫌な気持ちになることがありますが、それを忘れようとしたり相手を否定したりせず、心を開いて受け入れてください。相手を無罪放免にすることではなく、負の感情だけを手放し自分を自由にする手段、それが「許し」です。】
これはダライラマ氏の来日時に日本人から出た質問です。よって家族をテロや空爆で失った人々の怒りとは比べ物にならない軽いものであったと思われます。ですがそこには、許す事で開ける道へのヒントが隠されているような気がします。今回起きた事件は決して対岸の火事ではありません。日本でのテロを防ぐための対策も大事でしょうが、思いを寄せ理解しようとする姿勢も大切であると感じています。合掌


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