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98号 感話:失意の思い出 [ 平成25年2月1日 ]

春の期待

98号 感話:失意の思い出  大寒の前日1月19日に雪下ろしをやっていただきました。今年の雪は何度も暖気と雨にあい、とても重くなっていました。積雪はそれほどでもありませんでしたが、これ以上水分を含めないくらいにずっしりと重みが手に伝わってきました。屋根から降ろされた雪をスコップで軒下から取り除こうとすると腰がぐらぐらして一回ごとに「よっこらしょ」と掛け声が必要なくらいでした。力が衰えたのか雪が重かったのか。
 ビフォー・アンド・アフター、襖戸から「ほっ」の声が聞こえてきそうでした。お手伝いいただいた方、土曜日の貴重な時間ありがとうございました。

 2月1日 昨日に続いて晴天です。長岡でこの時期2日晴天が続くことは珍しいです。嬉しいです。つい春を感じます。

写真は境内で写したキジです。オスですが、先月はメスも目撃しました。今朝もオス一羽を見ました。


新しい門徒総代と世話方のご紹介

98号 感話:失意の思い出  託念寺寺則により、門徒総代は3名、任期は4年と定められています。1月24日で任期が満了になります。これまで2期8年に渡って責任役員門徒総代(通称:檀頭さん)を務めていただいた吉原勇夫さんが退任され、新たに吉原勉さんに重責を担っていただくことになりました。吉原松雄さんにはこれまで同様会計担当の総代として、また、佐藤芳夫さん(上前島町)に新たに門徒総代として託念寺の運営にあたっていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 吉原勇夫さん、長い間ほんとうにありがとうございました。心より御礼申し上げます。
 世話方はこれまで手薄になっていた地域を補充して以下の15名にお願いいたしました。
前島地区:永原英人さん(新規)、堀井善治さん(新規)、堀井利昭さん、堀井惠さん、小林章栄さん、堀井哲弥さん、堀井保彦さん、平澤一男さん(新規) 上前島地区:佐藤和雄さん 青山地区:古塩正一さん 宮内地区:小林秋雄さん、秋山元さん、関武春さん、片田地区:星野勲さん、水梨地区:久保田剛男さん。どうぞよろしくお願いします。


写真は1月31日撮影 西山を望む風景です。一面雪ですが、晴れ間の雪原はきれいです。


くじけないで

98号 感話:失意の思い出 くじけないで  柴田トヨ
ねぇ 不幸だなんて ため息をつかないで
陽射しやそよ風は えこひいきしない 
夢は 平等に見られるのよ 
私 辛いことが あったけれど 
生きていてよかった あなたもくじけずに


 1月20日に柴田トヨさんが亡くなられました。明治44年生まれの101歳でした。92歳を過ぎて詩を書き始められ多くの読者を勇気づけられました。浄土真宗のみ教えをやさしい言葉で伝えてくださっているようです。金子みすゞさんの「鈴と 小鳥と それから私 みんなちがって みんないい」と通じ合うように思えます。


写真は保育園児の子ども報恩講です。仏さまの前で背筋を伸ばしています。


感話 失意の思い出

98号 感話:失意の思い出  「失敗した話がよかった。」 1月13日の日曜法座での感想です。
 前日、下条の専徳寺様で入船亭扇辰師匠の落語を聞きました。上手なものです。笑いを作る専門家だから当然ですね。話しの前段で前置きのお笑いを披露されます。「私、どうでもいいような話しをしながら実は皆さんのレベルを見ているのですよ。皆さんのレベルに合わせて今日の演目を決めようと思って。同じ話しをしても反応がまるで違うこともあるのですよ。反応してもらわないとしゃべれませんからね。」 また、笑いが漏れ、客席が和みます。
 私は、大きく頷いて聞いていました。一流の噺家さんでもやりづらかったということがあるんだ。噺家さんが落語のCDを出していますが、ほとんどがライブ録音だと思います。客席があっての落語なのです。話ができるのは聞いてくれる人がいてはじめて成立することです。話したくて仕方がなくとも相手が聞いてくれないと感じたら、話は盛り上がりません。聞き上手ということばがありますが、落語家によい話をしてもらうためには聞く側にも責任の一端があるのです。


98号 感話:失意の思い出  私にも、話が乗らずに苦労した経験があります。まだ40歳になったばかりの頃でした。都内の中学校で講話を依頼されたときのことです。その前に「難聴児を持つ親の会」の合宿研修会に呼んでもらってお話しをしました。親向けにお話をし、その内容はそれなりによかったのでしょう。一緒に参加されていた校長先生が自分の学校でも一般教員向けに話しをして欲しいと言ってくださいました。こう言われたら嬉しいです。深く考えずに承諾したのです。これが間違いの元でした。聞く相手が違うだけで、反応の有り様が違うだけでどんどん話しづらくなり、私の視線が聞き手側の方に向かなくなって、こころの中で「ダメだ、こんなんじゃダメだ。どうしたら反応してもらえる話題を取り戻すことができるか。どうしたら気持ちを立て直すことができるか」と、窮地に追い詰められる自分を感じていました。脚は震えだしついに話しが止まってしまいました。「もうお話しができません。申し訳ありません。」と謝って予定よりも随分早くに終わりにさせていただきました。「失意」というのはこんな感情ですね。そのあと、招いてくださった校長先生とどんなお話しをしたかは覚えていませんが、とにかく学校を出てうなだれて帰りました。私がお酒を飲める質(たち)であったら、それで発散と言うこともあったのかもしれませんね。いくじなく、何故こんなことになったのか、そもそもどうしてこの依頼を引き受けてしまったのか、これからどうしたらいいのだろうか。自信喪失の状態になっていました。自信を失うことは恐ろしいことです。悪いことは重なると言います。そのあとも何度か似たような失敗をしてしまいました。仕事を辞めたいと真剣に悩みました。
 「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」伊集院静 (覚えておきたい「現代の名言」<落ち込んだとき元気になるには>部門1位 日経新聞H25.1.12より) 
 そのときにこんな言葉に出会えていればと思う一方で、私も傍目(はため)には結構「平然」を装っていたかも知れません。私がそのあと辞めないでなんとか立ち直ることができたのは、私が今でも知らないでいるさまざまな人や事の支えがあったのだと思います。いただいたご恩に気付かずにいることもたくさんあるかも知れません。柴田トヨさんの詩;「私 辛いことが あったけれど 生きていてよかった あなたもくじけずに」のことばは、どんな人生にも当てはまることかなと思います。それが優しさを生んでくれるのかも知れません。 「とにかく お慈悲の力は ぬくいでなぁ」(1月の法語カレンダーより) 合掌


98号 感話:失意の思い出

写真は1月15日 保育園の前に雪だるまが並びました。夜臼ぐらい中でみると、お地蔵様のようでした。雪のお地蔵様です。
おもわず赤いろうそくを灯して手を合わせました。

1月31日 お天気で子どもたちは急ごしらえのミニゲレンデでそり遊びを楽しみました。子どもたちの歓声が心地よく聞こえました。


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