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92号 感話 叱られた恩を忘れず寺参り [ 平成24年8月8日 ]

 いよいよオリンピックが始まりました。ロンドンと日本の時差は8時間、日本が8時間進んでいます。開会式前にサッカーの試合が始まりました。いずれも深夜の放送でした。興奮はリアルタイムでこそ味わえるものですから本当は夜更かししたいのですが、翌日の疲労を考えて無理ができません。それでもオリンピック期間中何回かは無理をするのでしょう。オリンピックは4年に1回です。過去のオリンピックを振り返るとその当時の生活が思い出されます。例えばローマオリンピック。昭和35年ですから情報はラジオです。重量挙げの三宅義信選手銀メダルのニュースを朝ラジオで知ったことを記憶しています。ミュンヘンオリンピックの男子バレーボールは大学時代、友だちの下宿に泊まり込んでラジオの実況を聞いて興奮していました。大逆転で勝った瞬間、大騒ぎをして下宿の大家さんに叱られました。深夜の実況放送はむしろ盛り上がるのかも知れません。日本の選手の活躍が楽しみです。


長岡大空襲を追悼する鐘つき

 8月1日は長岡大空襲の日です。今年は4月に「この空の花」が上映され、記憶が新たになった方もおられることでしょう。日曜法座にいつもお参りくださる佐田良輔さんは当時小学生で、空襲の夜に親と離れ離れになり妹さんと二人で逃げまどわれた経験をお持ちです。この映画がきっかけでお話しをお聞きできました。暁天法座でお話し下さいます。
 長岡市内のご寺院が朝8時と夜10時30分に梵鐘を撞きます。夜10時30分は大空襲が始まった時間です。子どもさんと一緒に鐘つきにいらしてください。若い世代に語り継いでいきましょう。


境内草取りありがとうございました

92号 感話 叱られた恩を忘れず寺参り  7月28日(土)朝6時から境内の草取りを恵以真会および有志の皆さんにやっていただきました。さわやかな朝の空気を満喫しながら仕事がはかどりました。盆参、盆踊りを迎える準備がひとつ前進しました。お忙しい中ご協力ありがとうございました。


第40回恵以真大会 −盆踊り大会−

 昨年の3月に未曾有の大地震が起きました。そこでみんなが感じたのは、人と人の絆が大切ということでした。恵以真会では今年の夏に皆様に地域の絆を感じてもらうために盆踊り大会を計画いたしました。子供たちのためにも楽しい盆踊りにしたいと考えています。ご家族こぞってご参加をお願いします。
 今、上前島町の神社で金曜日と日曜日の夜に太鼓の練習をしています。見ているうちにどうしてもたたきたくなっています。ところがいざバチを持ってたたこうとするとすごく難しいのです。基本リズムを紙に示してもらってもどこをたたいているのかわからないのです。練習の機会はあと数回。本番で下手ながら何とか打ちます。オリンピック選手の本番のように緊張します。
 そして長岡甚句を子どもたちと一緒に踊りましょう。「ハァーエーヤーお前だか 左近の土手で 背中ぼんこにして 豆の草取りゃる・・・・」と歌っているというのですが、歌詞ははっきりわかりません。最後は「北国の春」バージョンもやりたいです。これがまた踊りにぴったり合うのです。模擬店の準備も進めています。準備は恵以真会の現役員だけでは足りません。協力できそうな方は、会長さんまたは役員さんにお知らせ下さい。多くの方々と共に楽しい思い出づくりを致しましょう。
 協力 前川地区健全育成会 上前島睦峰会 前川児童館 前川保育園



感話 叱られた恩を忘れず寺参り

 父、前住職の三回忌法要を託念寺主催で勤めさせていただきます。ありがたいことです。法要に合わせて遺稿法話集も刊行していただくことになりました。その中に載っている法話をご紹介いたします。父が年忌法要の法話で話しているのを聞いたことがあってなつかしく振り返りました。
 暑い最中に不釣り合いのようですが、仏さまのご本願を譬喩(ひゆ)で聞いたお話しをお届けします。
 寒い年の暮れの夜遅く、父親が「ああ疲れた、おお寒い」と言って仕事から帰ってくると、奥さんが留守中のことを報告した。「仏壇にお供えしていたお金の中から坊や(小学三年)が二百円程盗んで買い食いをした」と。父親は、それを聞くやいなや、疲れも吹っ飛び、眠っているその子を起こし折檻(せっかん)した。
 「お前のしたことが、どれほど悪いか教えてやる。今から、お前に水をバケツ五杯ぶっかぶせる」と言って、「それだけは止めてください。坊やが死んでしまいます。」との母親の願いをよそに、子を外に引きずり出し、寝間着を脱がせた。自分もシャツとパンツで池に張った薄氷を割って、「お前がそういう悪いことをしたのは、育てた俺にも責任がある。だからまず俺がこの水をかぶる」と水を五杯かぶった。心臓が止まってしまうと思われるほどに冷たい。とばっちりが坊やの体に跳ね返ってきた。坊やは、その水を受けても、避けようとも、逃げようともせず、涙をいっぱいためて父親を見ていた。


 それを見ていた父親は「これは血を分けた本当の俺の子だ、何といういい奴なんだ」と胸がいっぱいになってしまった。でも父親は心を鬼にして坊やに水をかぶせた。三杯かけると坊やはすくんでしまった。あとの二杯は少し加減して、約束どおりに五杯かけると坊やを抱いて風呂場に駆け込み乾いたタオルでゴシゴシと坊やの体をこすってやった。坊やも近くにあるタオルをとると父親の体をゴシゴシこすりはじめた。父親はもうたまらなくなって、坊やを抱きしめ、男泣きに泣いてしまった。
 仏さまの慈悲は、例えば、子を思う「慈父の気持ち」「悲母の気配り」のようなものといただいたらどうでしょう。
 逝ったひとを想い、お墓に、お寺にお参りすれば、仏さまは寄り添って「ようこそ来てくれたね。想いはお前と同じじゃ。お念仏をとりこぼさずに頑張ってや」と迎えられること確実です。
 これが真宗信者の迎盆です。合掌


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