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87号 感話:いじわる [ 平成24年3月6日 ]

春のお彼岸

87号 感話:いじわる  お彼岸が近づいています。立春を過ぎてからが長かったですね。今年はとりわけ大雪でした。2月11日の朝が今シーズン最高の積雪になったように思います。晴れ間がのぞいて新雪が輝いていました。写真(右)はお墓がすっぽり埋まっている様子です。2mを楽に超えた雪景色です。今日2月29日の週間予報に雪マークが一つもついていませんでした。やっと春が実感できるところまできました。


87号 感話:いじわる  亡き人を偲ぶのもお彼岸です。父の遺稿集編成のためにアルバムを開きました。どなたが撮ってくださったのでしょう。何度も見入っています。亡くなる10年前の姿です。ご婦人方のはじける笑顔に囲まれてどんなにかしあわせだったことでしょう。愛すべき父の姿に涙があふれます。


二胡で恩徳讃

87号 感話:いじわる  26日の日曜法座は島津朝臣さんの二胡演奏に合わせて恩徳讃を歌いました。一昨年7月に二胡のコンサートを前川保育園遊戯室で開きましたが、お御堂での響きもまたいいものです。二胡のふるさと中国の曲も披露していただきました。「中国に行ったことはないけれど、揚子江で舟にゆられている気分になった」との感想も聞かれ、楽しいひとときになりました。


感話 いじわる

87号 感話:いじわる  先の日曜法座でせなけいこ作絵本「いじわる」(こどものくに チューリップ版2月号 第39巻11号)を紹介しました。絵本は絵を見ていただかないと絵本になりませんが、文のみを引用いたします;

ある ひ、たあぼうが
ゆきだるまを つくった。
「おひさま あっち いけ。
ぼくの ゆきだるまを とかすな。
いーっ」
おこった おひさまは
いじわるーい きもちに なって、
たあぼうの せっかく
つくった ゆきだるまを・・・

すっかり とかしちゃった。
ひどいよね。
あとには みずたまりと
めだまや くちだった
たどんと すみ。

たあぼうも
いじわるーい きもちに なって、
おひさまに むかって
たどんを ぶつけて やったんだ。
ところが おひさまは ひらりと
にげて、たどんは くもに
べちゃーん!


87号 感話:いじわる まっくろな かおに された
くもは かんかんに おこって、
ざあざあ あめを ふらせたよ。

ゆきだったら いいのにね。
いじわるしたんだ。

たあぼうは
いわあなに にげこんだよ。
そしたら、
ぐっすり ねむっていた
きょうりゅうの しっぽを、
ふんじゃったんだ。

いい きもちで
ねていた ところを おこされて、
いじわるーい きもちに なった
きょうりゅうは、 ひを ふいたよ。

きょうりゅうの ひで、
くもは とけちゃったよ。

ますます おこった おひさまは、
おいかけて きたんだ。
うんと いじの わるーい
かおを して。



87号 感話:いじわる だから きょうりゅうも もっと
いじわるーい きもちに なって、
やまみたいに おおきな
いわを なげたんだ。

そしたら おひさまは
すーっと しずんじゃって、
かわりに のぼって きた、
なんにも しらない
おつきさまに
ぶつかっちゃった。

おつきさまが こわれて
みかづきさまに
なっちゃったと したら
これは ひどすぎる!

いじわるーい きもちって
どんどん うつるんだよ。
さあ、おこるのを やめて
にっこり わらおう!

 「きもちって どんどん うつるんだよ」という言葉にひかれました。金子みすゞさんの「こだまでしょうか」の詩を思い起こされた方も多いでしょう。「いじわるの連鎖」もありますが、タイガーマスク現象のような「善意の連鎖」もあります。さあ、不機嫌な顔をしていないで にっこり 笑いましょう。 合掌


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