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84号 感話:感謝の姿「合掌」 [ 平成23年12月11日 ]

親鸞聖人750回大遠忌法要のご縁

84号 感話:感謝の姿「合掌」  「いかったねぇ」とよろこびの声が聞こえました。11月9日は朝からお天気に恵まれました。白洲(本願寺境内)で平成の大修復を終えた御影堂をバックに記念撮影をし、本堂に入りました。4千人近い参拝者が係員の案内で手際よく椅子に座り、定刻に大太鼓の合図で法要が始まりました。法要は厳かで身が引き締まります。七条袈裟に身を包まれ威儀を正された導師ご門主様のお姿を目に焼き付けたいと思いました。ご法話は、丁寧なお声で「自己中心的な心に気づきなさい」と説かれました。「人間は思い上がると何でもできると思ってしまいます。思い上がりが争いを起こすのです。親鸞聖人は人間の愚かさを深く自覚されました。でも愚かだから何もできない、何もしないというのではなく、愚かであり、一人では生きられないから、助け合っていきていくのです。」 大遠忌法要のご縁をいただくことの意義は親鸞聖人の御遺徳を偲ぶことです。親鸞聖人が今を生きる私たちに伝えようとされているメッセージを聞いていくことです。それがご門主様のご法話でありました。

写真は大遠忌法要団参の1ヶ月後12月5日の本願寺境内の大銀杏です。きれいに黄葉していました。


堀井博さんを偲んで

84号 感話:感謝の姿「合掌」  託念寺の門徒総代を50年以上にわたって務めてくださった堀井博さんが11月2日亡くなられました。享年93歳でした。託念寺の住職3代がお世話になりました。私が子どもの頃、あまりに身近でしたので、また決して威張ったりされない方でしたので、社会的な偉さを感じることはありませんでした。でも改めて振り返ってみると、お若い頃からいくつもの組織の要職を務めてこられていたのでした。寺の関係だけでも託念寺にとどまらず、新潟教区、本山本願寺にまで及んでいます。それも多くは人のため、社会のためのお仕事でした。温厚で包容力のあるお人柄ゆえ多くの方々が堀井さんを頼られた結果だったのでしょう。
 堀井さんは、最後まで知力も衰えない方でおられました。亡くなられるちょうど1か月前、10月2日に寺参りされたときの事です。お茶のみをしているときに山本五十六さんのことに話しが及びました。山本五十六さんが母校長岡中学校(現在の長岡高校)に講演に来られたとき、堀井さんは中学校の在学生だったそうです。講演後の記念撮影の時、五十六さんは自分に用意された真ん中の席を、校長先生のお席だと譲られたそうです。その姿がとても印象的だったと80年近く前のことを鮮やかにお話しされました。五十六さんの立ち振る舞いの謙虚な姿が堀井さんの生き方にも影響を及ぼしたのだと私は感激して聞いておりました。堀井さんがまさにそういう方でありました。
 同じ日に前川地区の敬老会でお元気な姿で乾杯の音頭をとられたそうです。今にして思えば私たちに最後のご挨拶をしてくださったのでした。長い間本当にお世話になりました。合掌

写真:平成16年10月住職補任式の記念写真。ご門主様、堀井博さんと一緒に写りました。


感話(当院:鷲尾顕一) 感謝の姿 「合掌」 

84号 感話:感謝の姿「合掌」  私は10月にネパールに行ってきました。南はインド、北は中国に接している国です。文化の面ではインドの影響を強く受けており、国民の多くはヒンズー教を信仰していますが、チベット仏教が盛んな国でもあります。チベット仏教は、東アジアを経て日本に伝わった大乗仏教ではなく、小乗仏教と呼ばれるもので、現世で悟りをひらく事を最大の目的とし、戒律が厳しい事で知られています。また最高指導者であるダライラマも有名です。
 この旅で、私は一人のネパール人と知り合いになりました。彼は長く日本で働いていた経験があり、日本語が達者です。そしてとても熱心にチベット仏教を学んでいました。そんな彼に連れられて、チベット仏教が盛んな町に行くことができました。
そこでは橙(だいだい)の袈裟を着た多くの僧侶が、五体投地と呼ばれる独特の格好でお祈りをする姿が見られます。浄土真宗をはじめ日本の仏教ではあまり祈りという表現を使わないように思いますが、その姿はとても美しいものでした。

註)五体投地:五体すなわち両手・両膝・額を地面に投げ伏して、仏や高僧などを礼拝することです。仏教において最も丁寧な礼拝方法の一つとされています。


84号 感話:感謝の姿「合掌」 話しは少し変わって、仙台ボランティアセンターでの出来事です。ある年配のご門徒さんが、浄土真宗では一念発起して一度念仏を称えれば往生は決定する、なのになんで毎朝のお勤めがあるのでしょうか?と、質問されました。あるいは私を試していたのかもしれません。この問いに対する正しい答えを私は持ち合わせておりませんでしたが、「仏さまが救ってくださるという事を理解しているのであれば、日々のお勤めは至極当然の事のように思います。往生のために必要か不要かという問題ではなく、もっと根本的な人間として当たり前の感謝の表現ととらえて十分納得できる事ではないでしょうか?」と応えました。そして、ふとチベット仏教の祈りの姿が思い出されます。祈りや感謝、そういったものを表現するのはとても重要な事のように思います。そして日本の仏教の合掌もまた改めて美しい姿だなと感じました。 合掌


恵以真会冬囲い

84号 感話:感謝の姿「合掌」 11月13日 恵以真会の皆さんで境内の冬囲いをしていただきました。時々雨が降りましたが、大勢のちからで今年もきれいにできました。終了後恵以真会忘年会開かれ楽しい時間を過ごしました。


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