第77号 感話 希望の鐘 [ 平成23年5月5日 ]
四十九日追悼のお勤め
連休の始まりです。我が家も久しぶりに娘家族が孫二人を連れてやってきます。楽しみです。
4月28日午後2時46分、寺の梵鐘を撞きました。東日本大震災から49日目のこの日、全日本仏教会の呼びかけで本願寺をはじめ全国で東日本大震災四十九日法要がお勤めされました。元上組でも連研の初回でしたので善行寺様で大勢の参会者とともに犠牲者を悼むお勤めを致しました。
ご報告いたします。大震災の義援金を本堂のお賽銭箱でさせていただいています。今年のお正月から一年をかけて、お賽銭を本願寺たすけあい募金にお届けいたします。先般第一回目として70,544円をお届けいたしました。ご協力ありがとうございました。
託念寺親鸞聖人750回大遠忌法要と金子みすゞコンサートのご案内
いよいよ一ヵ月後に迫りました。プログラムの概要をおしらせします。
期日:平成23年6月5日(日)
第一部
法要と記念法話 10時30分〜12時 会場:本堂
1.敬礼文 三帰依
独唱 山?浩さん ピアノ 沼田秀美さん
2.正信偈ご和讃 六首引き 全員唱和
3.法話 山?浩さん 「金子みすゞの歌に寄せて」
法要終了後記念撮影 参拝者全員の大集合写真
昼食
第二部
金子みすゞコンサート 13時30分〜15時
会場:前川保育園遊戯室
演奏とおはなし
山?浩さん(テノール) 沼田秀美さん(ソプラノ)
山?浩さん作曲の金子みすゞの歌
フィナーレ:私と小鳥と鈴と
小学生の手話付きで みんなで合唱
参加申込み:参加費千円を添えてお申込みください
募集人員:150名(会場の収容能力上限)
感話 希望の鐘 寄稿:託念寺当院 鷲尾顕一
私は4月4日から一週間、仙台別院に拠点をおく東北教区ボランティアセンターにて活動をさせていただきました。主に担当したのが、石巻市にある称法寺という寺院です。この石巻市の津波の被害は甚大で、なにかとてつもない悪意をもって破壊されたようでした。その街の光景と最もイメージが合致したのが、戦後の日本の写真です。原型をとどめる建物はほとんどなく、活気のある港町の面影はありませんでした。海からほど近い称法寺も同じように大きな被害を受けていました。本堂と庫裡はなんとか形をのこしていましたが、一階の天井まで浸水した跡が見られ、津波で流されてきたあらゆる物に埋め尽くされていました。私たちの作業はそういった漂流物の除去でした。
当初私は二つの疑問をもって作業に臨んでいました。ひとつはこの撤去作業を終えてもこの寺院が再生可能とは思えなかったこと。もうひとつは他に被災された家屋を差し置いて、寺院清掃を優先していいのだろうかという事です。あまりに広い範囲が被災地となり、その中で優先順位をつけなくてはならない現状で、僧侶主体のボランティアセンターが寺院清掃を優先するのは当然の事でしょう。それを理解しながらも、近所におられたであろうお檀家さんの援助はできないものか…しなくてもいいのか…胸につっかえるものがありました。
このような迷いを持ちながらも、清掃を続けるうちに床が見え、寺院内は本来の姿に近づいていきます。重機が入れない現場での作業は、人の力の偉大さを改めて認識させられるものでした。また清掃が進むにつれご住職の表情にも明るさが見られるようになりました。そんな中、本堂から百メートルほど離れた所から喚鐘を打つ木槌〈撞木(しゅもく)〉が見つかりました。梵鐘(大きな鐘)ですら流されてしまい見つかっていない事を考えると、奇跡的な発見でした。それをご住職の親戚の方に渡すと、スッと本堂の方へ向かい喚鐘を打ちました。
「カーン」「カーン」「カーン」 荒廃した町に耳馴染みのある音が響き渡りました。
その瞬間私は心が震えました。再びここに人が集まりお参りをする、そんな光景が目に浮かんだからです。ほとんどすべて流されてしまった土地に、地震前と変わらない喚鐘の響きと、本堂の瓦屋根が残っている。これがこの先にどれだけの価値を持つ事になるか、町の復興にどれだけの勇気を与えるか。私の中にあった疑問や迷いは消えていました。
石巻が地震以前のような町に戻るまで何年かかるかわかりません。でもこの活動を通して必ず復興するという確信を得ました。何年か後、活気があふれる新しい石巻の中心に、称法寺があることを心より願っています。 合掌
いのちの最後の尊厳
いまだに1万人以上のひとが行方不明のままです。新聞に「いのちの最後の尊厳」というみだしがありました。行方不明のままに人の死を認めなければならないことと、切ないながらも身元を引き取り読経して火葬してお骨を埋葬できることとは大きな違いがあるように思えます。弔うことの大切さを感じました。
4月の法語カレンダーの言葉を思い出しました;
仏号 はなはだ持ち易し 浄土 はなはだ往き易し
いのちの往くところがはっきりしていて、その方法まで示されている安心感を覚えます。
我が家の庭に今年も水芭蕉がきれいに咲きました。昨年秋に亡くなった父が好きでした。5月5日