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第73号 感話:お線香 [ 平成23年1月8日 ]

新しい年のスタートです

第73号 感話:お線香  時は連続しているのにけじめや区切りをつけたいと人は考えます。新しい年を迎えることはその中でも最大のものでしょう。いつもの連続ではなく気持ちを新たにして歩き始めたいです。今年は親鸞聖人750回大遠忌法要です。聖人が遺されたことばで私たちが身近に接しているものはたくさんありますが、恩徳讃はそのひとつです。「如来大悲の恩徳は 身を粉にしても報ずべし 師主知識の恩徳は骨を砕きても謝すべし」というご和讃です。私たちはさまざまな機会に歌っています。私は「ご恩に報いる」ことを今年のキーワードにして過ごしたいと思います。


新裏方様ご懐妊

第73号 感話:お線香  12月28日付けのニュース速報です。橘正信本願寺派総長談話を紹介いたします;「大谷光淳新門様より、大谷流豆美新裏方様が、めでたくご懐妊になられ、5月にご出産のご予定であられるとのご報告を頂戴いたしました。新門様、新裏方様ご夫妻はもとより、ご門主様、お裏方様をはじめとする大谷宗家方々様のお慶びも一入の御事と拝察いたしますと同時に、宗門にとりましても、まことにめでたいことであります。」
 750回大遠忌法要のときに、このような慶事に遇われるご縁に恵まれて、私たちも歓びをいただいた気持ちになります。よかったですね。
 そしていつも私事で恐縮ですが、私どもの娘が第3子を身ごもりました。同じくらいに嬉しいです。



小説親鸞<激動編>が元日よりスタート

第73号 感話:お線香  五木寛之さんの小説「親鸞」は、一昨年9月に越後にご流罪になったところでいったん新聞連載が終わり、それが上下2冊の単行本として出版されて67万部の売り上げを記録したそうです。続編がいつ始まるかと心待ちにしておりましたが、いよいよ元日から1年間の予定で新潟日報紙面で連載が再スタートします。今回の掲載は全国44紙で前回の27紙を大きく上回っています。私は前回はじめて新聞連載で全編を読み通しました。父は毎日切り抜いて台紙に貼りファイルにして整理してくれ、それを私が読ませてもらっていました。もったいないことですが、父は私が読むのを楽しみにしていたようでした。今度は毎朝、新聞に目を通すことを楽しみにしたいと思います。

左の絵は新潟日報のチラシから取りました。


感話 お線香

 これを書いている今、平成22年があとちょうど1日を残すのみです。てらだよりを今日中に仕上げなければならないと格闘しているところに当院(長男:顕一)が大阪から帰ってきました。ひと休みしたところで「そんなに苦労しているならちょっとだけオレも書こうか」と言ってくれたのです。なんとも嬉しいことです。当院のてらだよりデビューと思ってやさしいまなざしでお読みいただければ幸いです。


 私は今大阪で一日で10件ほどのお宅を訪問し、阿弥陀経をお勤めしています。大阪ではこれを月参りと呼び、私にとっては大阪のご門徒さんとご縁をつなぐ貴重な場となっています。
 さて、この月参りでは当然のことながらお勤めの前にお線香を焚きます。浄土真宗ではお線香に灯をつけたら、それを香炉にねかせます。香炉のサイズは家によって様々ですが、大体が半分もしくは三等分に折らないと収まりません。きれいに折れることもあれば、まちまちの長さになってしまうこともしばしばあります。そういった具合でお参りを始めるのですが、最近ではお経本を目で追わなくてもスラスラと阿弥陀経をお勤めできる事もあり、色々な物に目がいってしまいます。お供えであったり、お花であったり、仏具の並び方であったり、あまりよろしくないのでしょうが、見えてしまうものは仕方ありません。そしてそこで最も気になったのがお線香の煙でした。
 真っ直ぐにのぼっていたり、ゆらゆらと落ち着かなかったり、線香の火種の先から煙をあげています。そしていよいよ燃え尽きようとする瞬間、火種はまだ真っ赤に点いているのに、フッと煙が出なくなります。そしてその後すぐに火種も燃え尽きます。純粋にこの現象が美しいなと思うと同時に、この線香の煙が人間の欲に似ているなと思いました。火を灯した瞬間から煙をあげる線香、それは生きている限りあらゆるものを欲する人間のように感じられました。そしてその命が尽きる寸前、線香の煙のようにフッと欲が消える。まるで人間が仏さまの本願力によって欲から解放され、救われた瞬間を目の当たりにしたような、そんな感慨深い気持ちになりました。合掌


 除夜の鐘

第73号 感話:お線香  恵以真会の役員が11時に集合して準備してくださいました。
 普段見かけない方、若い方も来られました。
 「正覚大音響流十方」
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

 1年を振り返ると思いもよらぬ事がいくつか起こりました。
「ご恩 ごぉん」の響き
 ある法語カレンダーに「不思議なり 世に生まれるも 今あるも」とありました。私にいのちが授かっていることを無駄にしないで過ごしましょう


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