浄土真宗本願寺派 託念寺のホームページ

浄土真宗本願寺派 託念寺

第59号(感話:やさしさにであう −助け合う本能−) [ 平成21年11月10日 ]

11月の法語 無明長夜の灯炬なり 智眼くらしとかなしむな

第59号(感話:やさしさにであう −助け合う本能−)  境内の椿が赤い花をつけ、つつじが白い花びらを咲かせています。小春日和が殊のほか嬉しく感じられる季節になりました。
 これまでも何度もおしらせしました納骨堂(名称は無量寿堂)建立が最終段階になっています。設計図段階では小さなお堂と思っていましたが、立派な屋根、バリアフリーのスロープ、墓銘碑などが整ってくると存在感があります。そこで下記の通り落慶入仏法要を厳修したいと存じます。


託念寺無量寿堂落慶入仏法要・永代経報恩講

第59号(感話:やさしさにであう −助け合う本能−) 日時  11月28日(土) 10時30分〜14時
日程  無量寿堂落慶入仏法要 お勤め:讃仏偈
     永代経報恩講 お勤め:正信偈和讃六首引き
     法話 専徳寺ご住職 佐々木信義師
   お斎


 28日は託念寺年中行事である永代経報恩講の日です。ご参詣の皆様にはいつもの報恩講のお支度でお越しください。寺のお斎も例年と同じスタイルで準備いたします。お待ちしております。宮内地区やちょっと遠いお住まいの方もどうぞお越しください。


ご門主様のご著書「愚の力」

第59号(感話:やさしさにであう −助け合う本能−)  「愚の力」はご門主様が執筆され出版されたばかりの著書です。文藝春秋社刊の新書版で一般書店でも取り扱っていると思いますが、ご希望があれば寺に取り寄せることができます。どうぞ申しつけください。


やさしさにであう −助け合う本能−

第59号(感話:やさしさにであう −助け合う本能−)  中越地震から5年が経ち、復興イベントがいくつか催されたようです。そんな中で朝日新聞天声人語(21.10.26)に中越地震の3日前に起きた台風23号によるバス水没事故にまつわる出来事が記されていました。京都府舞鶴市の国道で立ち往生したバスに大雨による濁流が入り込み、どんどんと満ちていくバスの中、割った窓から全員がバスの屋根に避難して夜を明かし、全員が助かったあの出来事です。記憶している方も多いでしょう。私はそのニュースを見たとき連れ合いに「いつどんなことに遭遇するか分からないね」と話しかけたことを覚えています。そんな会話まで覚えているのは、そのあとの大地震で「昨日他人事として話したことが今度は自分たちの元で現実に起こるなんて思いもよらなかったね」と無事を喜びながらも明日の命の保証はないのだと実感したからです。
 天声人語は観光バスの屋根で一夜を明かした中島明子さんの著書を引用しています;
 水は屋根を越え、立ちすくむ人々の腰に迫った。流されぬよう隣と肩や腕を組み、ひと固まりになった。思いやりは思いやりを生む。暗闇で体を温め合ううち、みんな一緒に助かるぞという連帯感が広がったという。著者は振り返る「自らをなげうって、無意識のうちに誰かのために行動できる人たちが、この世界にはごく当たり前に存在する。あの夜、私は64歳にしてそれを知ることができました。」・・・・
 そして天声人語は次のように結んでいます;人間は細やかな善意だけで動くものではない。わが身はかわいく、世にはせこい敵意や鈍感があふれるが、人は助け合う本能を備えていると信じたい。お互い、最も賢いはずの動物に生まれてきたのだから。
 私たちが経験した中越地震でも同じような出来事がたくさんありました。あの余震が続くさなか、瓦が崩れ落ち雨が降れば必ずや雨漏りがする屋根を緊急に応急処置するために、ブルーシートがかぶせられました。この危険な作業は何人かの方々が協力して次々に家をまわって行われました。どんなにか怖かったことでしょう。この作業中に余震が来ないように祈りながらの作業だったに違いありません。危険があっても、目の前に困っている人がいるときに無意識のうちに「なんとかしてやりたい」と思って行動する。そんな姿だったのではないでしょうか。
 「思いやりは思いやりを生む」ということばにも共感します。「思いやる」とはひとの立場になってものを考え行動することです。ひとを思いやることはひとのためのようでもありますが、思いやれることは気持ちがいいことです。思いやれる人がいることはしあわせなことでもあります。思いやりをかけてもらった人は嬉しく感じ、その恩に報いたいと思います。「思いやりは思いやりを生む」そんな連鎖が広がっていったらどんなにかよい社会になるでしょう。


第59号(感話:やさしさにであう −助け合う本能−)  仏教は慈悲を説きます。悲は、他のものの痛みをわがこととしてともに痛む心をいいます。如来の大悲は、人々の苦しみに同感し、痛みを共感しながら、人々の幸せをわがこととして願い求めていく心なのです。親鸞聖人はご和讃に「小慈小悲もなき身にて 有(う)情(じょう)利(り)益(やく)はおもふまじ 如来の願船いまさずは 苦海をいかでかわたるべき」とおっしゃって、ご自分の煩悩をとことん悲嘆しておられますが、そうであるからこそ悲の心を持ちたいと願っておられたのではないでしょうか。
 11月1日のNHK「天地人」の中で、直江兼続の娘お松が母親のお船(せん)に夫婦の絆について尋ねる場面がありました。「そなたの父上は泣き虫なのです。その父上を何とかしてやらねばと思いました。でも泣き虫なのは人の痛みを我が痛みと感じとられるからなのです。絆とは相手に自分が何をしてあげられるかを思い続けることなのですよ。」私は連れ合いと、お松が亡くなる場面で涙を流しました。互いの悲の心を感じながら。
 天声人語の「助け合う本能」は「仏性」と置き換えていいのかなと思います。この仏性は「やさしさ」にであうことによって発露していくもののように思えます。合掌


託念寺無量寿堂(納骨堂)利用規程

(名称)
第1条
 納骨堂の名称を「託念寺無量寿堂」とする

(目的)
第2条
 託念寺無量寿堂(以下「無量寿堂」と記す)は、託念寺にゆかりのある浄土真宗門信徒の遺骨を収納し、永代護持する。

(無量寿堂の構成と名称)
第3条
 無量寿堂の構成は、礼拝壇、納骨檀、共同納骨墓、過去帳台、墓銘碑、香炉花立て台からなる。
2 礼拝壇には、本尊絵像奉懸し、荘厳する。
3 納骨檀には、骨箱ごと収容できる個室棚(納骨棚)を設置する(40個)。
4 共同納骨墓は、礼拝壇の床下に設置する。
5 過去帳台は礼拝壇前に置き、過去帳には納骨された故人の法名・俗名・命日等を記す。
6 墓銘碑はお堂前に設置し、表面にはお堂の名称を刻字し、裏面には納骨された故人の法名・俗名・命日を刻字する。
7 香炉花立て台は、墓銘碑の前に設置する。

(納骨方法)
第4条
 納骨は遺族の願いに基づき、満中陰49日忌法要を終えたあとに行う。
2 遺骨は、当分の間、骨箱のまま納骨棚に安置する。
3 13回忌を目処に共同納骨墓に納骨する。

(利用者)
第5条
 託念寺の門徒、浄土真宗の門信徒、あるいは納骨を機縁として浄土真宗に帰依しようとするもの。

(納骨冥加代)
第6条
 墓碑銘刻字代も含め納骨冥加代は納骨1体につき25万円とする。


(無量寿堂護持)
第7条
 無量寿堂護持費は、託念寺門徒の場合は徴収しない(門徒年間維持費に含まれる)。
2 託念寺門徒でない場合 無量寿堂会員とし年間護持費は3千円とする。
3 無量寿堂の護持・管理は託念寺寺院会計が行う。



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