第53号 [ 平成21年5月1日 ]
今月の法語「仏法不思議ということは 弥陀の弘誓になづけたり 」
寒暖の差が大きくてお風邪など召されていないでしょうか。桜の花の咲きはじめた頃はもう少し気温が下がって欲しいと願いました。人間の思いから、木々や草花もとまどっているかも知れないと表現してしまいますが、存外彼らは自然の変化にそのまんま対応しているのかもしれません。
4月19日のお取越報恩講では大勢の方々にお参りいただきありがとうございました。布教使の真敷祐弘先生のご法話に善人、悪人のお話がありました。自分に都合のいい人が善人、不都合なときには悪人と。常日頃の自分の感情を思い起こすとハッとしてしまいます。善悪の基準は自分の都合にあるという身勝手さは無くなりそうもありませんが、人を非難したい感情がわき上がったときこのお話しを思い起こせたら多少なりとも落ち着けるかも知れません。
本願寺新報に大きく掲載
3月20日開催の恵以真会主催「家族礼拝の日」が本願寺新報に取り上げられカラー写真付で掲載されました。仏前に子どもたちがならび手を合わせて「いただきます」の場面を、それを見まもる方々のお顔と共に上手に撮ってくださいました。遠くの方からも見ましたよとお便りをいただきました。
お知らせ
5月21日(木)午後3時10分からBSNラジオで私が出演することになりました。「お寺に行こう」という番組です。どんな番組なのかまだ聞いたことがないので他の方の放送を聞いて準備したいと思います。わずか5分間だそうですが、この時間にたまたま車に乗っておられたら是非とも聞いてください。託念寺のこと、この地域のことなどを一生懸命PRします。
写真は納骨堂の工事進行状況です。基礎工事が4月28日終わりました。車いす用のスロープがかっこいいです。
「何ができるのですか」と質問されることが多くなりました。
建物の工事は6月に入ってからです。
法名をいただきませんか −帰敬式のご案内−
前号でも紹介いたしましたが、新門さま(本願寺の当院様)が6月23日に新潟別院をご巡拝されます。その折に帰敬式が行われます。帰敬式とは、「おかみそり」ともいい、浄土真宗の門徒として自覚をあらたにし、力強く生きていくことを誓う儀式です。式は原則としては本山でご門主様によって執り行われますが、今回はご新門さまご巡拝に合わせて実施されるものです。貴重な機会です。是非、ぜひ!
受式冥加金(1万円) 申込は住職まで 締切:5月20日 お若い方も大歓迎です。
写真は境内スナップ:5月1日の紅葉です。
感話 病(やまい)の器(うつわ)
連れ合いの父の1周忌で仙台に行ってきました。土日の日程でしたので高速道路を片道千円で利用させてもらいました。ETC(ノンストップ自動料金収受システムというんだそうです)のゲートを出たとき「1,000円」と表示され、なるほどこれは安いと素直に喜びました。
連れ合いの実家も本願寺派寺院の門徒ですから法要の読経は一緒に勤めさせてもらいました。私の横では連れ合いが懸命に阿弥陀経を読(どく)誦(じゅ)し、その後では息子が諳(そら)んじてあげていました。私の気分は写真のこいのぼりのようでありました。ついでに家族自慢ですが、2歳半の孫は母親(娘)にくっついて香炉の前でちょこんと座り、見よう見まねでお焼香をしていました。なんとお香をつまむ手は左手でしたが。亡き義父はこんな私たちの姿を喜んでくれたに違いありません。
感話の標題はご住職の法話からいただいたものです。「人間は病の器なり」ということばがあるそうです。食器は食を盛ってその役割を果たすように、人間もまた病気になることによって一人前になっていくというのです。私どもの保育園では0歳から入園してくる子どもたちが増えました。親御さんたちはお仕事をもっておられてやむなく預けられているのです。ですから出来るだけ子どもさんに病気になって欲しくないと願いますが、病気になるのです。病気にかかることが子どもたちには仕事でもあるのです。医学的に言えばさまざまな病気に対する免疫が出来るなどと説明されるのでしょうけれど、病気になると「ナンギくなる」「ご飯が食べられなくなる」「お母さんや家の人たちが優しくなる」などの経験をして病気の痛みや苦しみが分かり、同時に優しくしてくれることの有り難みがわかることになるのです。
人はいのち終えるまでにどれほど病気に脅かされるのでしょうか。私は娘が生まれた頃に「痔」で苦しみました。さまざまな療法を試しましたが、悪くなってからは何も利かなくなりました。肛門狭(きょう)窄(さく)症になっての排便は痛みの極(きわ)みでした。娘が3ヶ月の時ついに我慢の限界に達し手術をしました。手術の怖さ、麻酔が切れた後の痛み、1週間排便を止められたあとの初便の苦しみ等々たっぷり味わいました。当時「痔」の辛さを最も共感してくれたのが、義父でありました。同じ痔(ぢ)主(ぬし)で、私へのいたわりと再発予防の心得を示し伝えてくれました。連れ合いは私が退院すると過労で寝込みました。今も感謝です。
田植えの準備が進んでいます
信濃川の土手を望んだ風景です。田んぼに一部水が入りました。こちらの田植えは連休明けだそうです。遠くの西山は新緑の緑が見えます。