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第51号 [ 平成21年3月2日 ]

3月です

第51号  2月は逃げると言われますが、もう3月です。土の中では草木や虫たちが動き出しているのでしょう。1月下旬から1週間くらいかけて、新潟日報長岡版に前川小学校の子どもたちの作文が掲載されました。毎日ふたりずつカラー写真で顔が写っています。みんなよく知ったこどもたちです。楽しみに読みました。書いた子どもたちにたまたま会って、「読んだよ」と声をかけると嬉しそうにしてくれます。きっといろんな人にそんなふうに言ってもらえていることでしょう。それをお家に帰って家族の人に伝える場面を想像します。勝手にしあわせな気分になります。「よかったね。」
 小学校や児童館からも定期的にお便りが届けられて子どもたちの声が載っています。子どもたちの顔が見える地域、「元気らかね」と気楽に声をかけられる雰囲気を大切にしていきたいですね。


春の彼岸会 「家族礼拝の日」

第51号  お彼岸は「春到来」の響きがあります。ご家族でお参りください。昨年は長岡ケーブルテレビの取材を受けて後日放映されました。今年はそんな予定は聞いておりませんが、家族でお参りして春の訪れを喜び合いましょう。恵以真会の皆さんと楽しい催しを企画します。


感話 継がれる命(1)

 親鸞聖人の語られたことばが書き遺された書物「歎異抄」があります。その序文に「聖人が直接お話ししてくださったことの中で今もはっきりと耳の底に残っていることばを書きしるしたい」と記されています。親鸞聖人が亡くなられて30年くらい経ってからのことです。著者とされる唯円さんの耳の底に残っている聖人の肉声の響きがあったからこそ、歎異抄がこれほどまでに多くの人に読み継がれたのだと思います。亡くなった人のことを思い出すとその時々の表情がまぶたの内に浮き上がり、その声が耳に聞こえてきます。しっかりとした声で。子どもの頃に聞いた祖父や祖母の声も今よみがえってきます。消えずにとどまるこの声は命が継がれていることを実感させてくれるようです。
 先般NHKBSテレビで三浦綾子の小説「塩狩峠」を取り上げていました。その中で「遺言」と名づけられた手紙が紹介されました。大切な家族に宛てられたものです。人はどんな形でいのちが終わるか分からない。自分がしっかりと遺言を遺そうと思ってもそれが叶うかどうか分からない。私は特に遺言を遺さないけど、私がこれまで生きてきた姿、話してきたことば、それらがすべて遺言だと思って欲しい。そんな内容だったと思います。それを聞いていたとき「そうか、そうなんだ。そう思えばいいんだ」と妙に納得できた気がしました。亡くなられてもこうして私たちの心の中に居つづけているのです。それも何か働きかけをしながら居つづけているのです。


継がれる命(2)

 下記の歌はNHK朝の連続テレビ小説「だんだん」で歌われている「いのちの歌」です。紙面では曲が伝えられないので残念です。曲に乗せて歌うと涙があふれてきます。CDが発売されています。先般の日曜法座で一緒に聞きました。3月に予定されている研修旅行のバスの中などで歌いたいと思います。
 「本当に大事なものは隠れて見えない」ものですね。ドラマの中で離婚の危機に直面した夫と妻の会話がありました。夫タダシは事情があって先妻マキコと別れました。タダシとマキコの間には双子の姉妹がいて、一人ずつ引き取って育てました。その双子のふたりが運命の出遇いをするのですが、そのことによって別れたタダシとマキコも再会し、娘たちへの共通の思いから情が戻ってしまいます。タダシの妻ヨシコはその心の内を知って耐えられなくなり自分が身を引こうと決意します。ヨシコに胸の内を質(ただ)され、タダシはヨシコを見つめて応えます: 「心の中を全部見せればいいもんじゃねぇねかね。言わんないことだってあるろ。それを思いやるがも夫婦じゃねぇがか」(ドラマは松江弁ですが、長岡弁に置き換えました)。・・・「オレはヨシコが好きらすけ ここにいてくんねぇか」・・・感動的な場面でした。
 心の中は見せようにも見せられないのが本当のところでしょうか。人は生きている間に人とたくさん係わっていきますが、人との係わりは心のかかわり合いでもあるのです。決して見えないけれど、相手を思いやる心を持つことで思いが伝わっていきます。心があるから声が残り、ことばが残り、命が継がれていくように思うのです。 合掌


いのちの歌 Miyabi作詞 村松崇継作曲

生きてゆくことの意味 問いかけるそのたびに
胸をよぎる愛しい 人々のあたたかさ
この星の片隅で めぐり会えた奇跡は
どんな宝石よりも たいせつな宝物

泣きたい日もある 絶望に嘆く日も
そんなとき そばにいて
 寄り添うあなたの影
二人で歌えば 懐かしくよみがえる
ふるさとの夕焼けの 優しいあのぬくもり

本当にだいじなものは 隠れて見えない
ささやかすぎる 日々の中に
 かけがえない喜びがある

いつかは誰でも この星にさよならを
するときが来るけれど 命は継がれていく
生まれてきたこと 育ててもらえたこと
出会ったこと 笑ったこと
そのすべてにありがとう
この命にありがとう


追記 トラコのこと

第51号 今年1月号(通巻49号)の感話で紹介した我が家のトラコですが、頭に皮膚腫瘍が見つかって、手術を勧められました。幸い発見が早かったので大事には至らなかったですが、手術後の縫合跡はちょっと痛々しいです。この写真は1月上旬のものです。今は毛に覆われて見えません。


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