浄土真宗本願寺派 託念寺のホームページ

浄土真宗本願寺派 託念寺

48号 [ 平成20年12月3日 ]

12月の法語 「浄土にてかならずかならずまちまいらせそうろうなり」

48号  師走。この時期になると前島の近く南部工業団地を走る道路の両脇にはカラフルなイルミネーションが飾られ目を楽しませてくれます。いくつかの会社が参加してちょっとした名所になっています。クリスマスの飾り付けが原型なのでしょうけれど、中越地震のときは「がんばれ にいがた」の文字が描かれて話題になりました。寒さが日ごとに増すこの季節に色とりどりに光る飾りは和みを与えてくれますね。
 初雪も降りすっかり冬モードになりました。境内は冬囲いが終わり、本堂玄関の雪よけ三角屋根、消雪用水道管も取り付けられて雪がいつ降っても安心の状態になりました。
 恵以真会の皆さんはじめ多くの方々が護ってくださっています。有り難いことです。


有縁講に行ってきました

48号  11月20,21日赤倉ホテルでありました。50回記念として参加者にお念珠のプレゼントがあり、私は輪袈裟をいただきました。託念寺が参加してから20回目にして初めて私も仲間入りいたしました。立派なご仏前でのお勤めとご法話に同心同朋のよろこびを感じさせてもらいました。まだご参加されたことがない方「来年は一緒にいぎましょうて。」 
 写真は前住職が「親鸞音頭」の踊りに誘われて、我を忘れ、歳を忘れて踊り出しているものです。私はハラハラでしたが、大きな拍手をもらった本人はこのあと簡単には終わりませんでした。日頃いろいろな方に「前住さんはお元気ですか」と尋ねられますが、この写真一枚を見ていただければ「あと10年ぐらいは大丈夫げらね」と安心してもらえます。


感話 出遇(であ)いの仕合わせ

48号  孫に会うことはうれしいことです。孫がいると言っても普段は一緒に生活をしていないので家の中で私が「おじいちゃん」と呼ばれることはありません。それが寂しいわけでもないのですが、先日埼玉県の難聴児施設での勉強会講師に招かれた折に、急に孫の顔が見たくなり、大宮に向かう新幹線の中から娘にメールで「夕ご飯の誘い」をしました。娘からは「いいよ」との返事。自然に上機嫌になって勉強会の会場に向かうことができました。その勉強会でのことです。
 お話しをさせてもらったあとで質問の時間になりました。一番前に座っていたNさんが「プロジェクターで映したスライドに『仕合わせ』『出遇い』と書かれていました。普通は使わない文字ですが、何か理由があるのですか?」と質問されました。よく見ていてくださったと嬉しくなりました。テーマが「生きる力を育てる」でしたから二つのことばをキーワードに説明を加えさせてもらいました。私たちは「しあわせの実現」を物質的な豊かさに求めがちです。美味しいものが食べられたり、きれいな家に住んだりできることがしあわせの証(あかし)であるように思いがちです。もちろんそれを全部否定することはできませんが、それが本質ではありません。しあわせの土台は人との出遇いです。親子の出遇いは仏さまからいただいて実現したものです。自分の意志で「この子が欲しい」、「この親が欲しい」と願って恵まれたものではありません。不思議にも出遇えたのです。「遇う」は自分の力を超えたはたらきによって実現した出遇いを意味します。家族となった出遇いをよろこび、互いにかけがえのない存在と感じられたときに「しあわせ」を実感できるのです。子どもにとってはそれが生きる力の土台になるのです。それを表す文字が「仕合わせ」なのですとお話ししました。そして「くまさん」の歌を歌いました。
 勉強会が無事に終わり、娘と孫に会う時間がやってきました。ケータイは便利です。待ち合わせた場所に共に相手方に近づく形で会うことができました。母親の手に引かれて2歳の孫坊やが歩いてきます。手を振ると嬉しそうに手を振ってくれました。1ヶ月ぶりに会う私が手を差し出すとその手を握ってくれました。「オオ嫌がらずに握ってくれた」と内心感激。それからもずーっと、レストランを決めて席に着くまで。時々は私を頼りにするようにしっかりと握ります。孫のなんともいえない愛らしい手の感触。大げさに言えば、「不思議な『出遇い』によってこの子が私の手を握ってくれている。」そんな仕合わせを感じることができました。ぢぢバカは嬉しくなって帰りにおもちゃ売り場に立ち寄り、孫が気に入って遊び続けていたちょっと高げなおもちゃを買ってやりました。これでぢぢの株も上がったに違いないと、抱っこを申し出たのでありました。見事に拒否。そのまま娘の腕の中に抱かれることになったのです。「そうかやっぱり母さんか」と納得の敗北感。別れ際の「バイバイ」はホッとしたように元気よく返してくれました。ただこれだけのお話し。仕合わせでした。合掌


写真は私と出遇って仕合わせな我が家のネコ、トラコ


くまさん  まどみちお 作  作曲 鷲尾詩子

48号  春がきて 目がさめて
くまさん ぼんやり 考えた
咲いているのは たんぽぽだが
ええと ぼくは 誰だっけ
 春がきて 目がさめて 
くまさん ぼんやり 川にきた
水にうつった いい顔をみて 
そうだ ぼくは くまだった 
よかったな

まどみちおさんの詩に 私の姪の鷲尾詩子さんが曲をつけてくれました。詩子さんはドイツ デュッセルドルフに在住しています。父鷲尾洋はデュッセルドルフ交響楽団のフルート奏者です。詩子さんが今年の夏に里帰りした折、くまさんの作曲を頼みました。彼女にこの詩を見せるとドイツの日本人学校の教科書で習い、自分でも気に入った詩であるとのこと。9月の中頃楽譜とピアノ伴奏付きの歌の録音をインターネットメールで送ってくれました。いい歌で気に入っています。前川保育園の子供たちも歌ってくれています。

右の写真は境内の紅葉です。鐘楼を道路側から撮りました。



境内の風景

48号 今年は紅葉がきれいでした。
12月1日に撮影したものです。境内の前庭で築山になっているところです。私が子供の頃から変わらない場所です。


境内の紅葉

48号 鐘楼を庫裡玄関の側から撮りました。


イメージ:ボタン

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